ビジネス

2018.08.17

エンジェル投資家 赤坂優「バカになって試して、失敗して、自分をアップデートせよ」

エンジェル投資家 赤坂優


起業のきっかけはVASILY金山氏との出会い

その後、イマージュ・ネットを退職して、エウレカを立ち上げることになるのですが、直接的なきっかけになったのは、後にVASILYを創業する金山裕樹さん(現:スタートトゥデイテクノロジーズ代表取締役CIO)がオフィスを訪ねてきたことです。

当時、金山さんはまだヤフーに在籍していて、まさにこれからファッション系のサービスで起業しようといていたタイミング。うちの会社がアパレル系だったこともあり、会長と話をするのが目的でした。ただ、会長はインターネットのことをよく知らなかったので、「若手を呼べ」ということで僕が同席することになったんです。

彼は、いま海外ではどのようなサービスがアパレル業界を変えようとしているのか、それを踏まえて自分たちがどんな事業を立ち上げようとしているのか。自分の考えをアツく語っていました。特に「サービス上で様々なアイテムを組み合わせてコーディネートを作れるようにして、そこからどんどんネット通販できる未来を作りたい」という話を聞いて、僕は「凄い!これは未来の体験だ」と感銘を受けたんですね。

それ以来、金山さんとは定期的にお茶をしたり、ご飯に行ったりする仲になりました。彼から、海外トレンドのキャッチアップの仕方などを教えてもらったことで起業に対する意欲がグッと高まりました。

もちろん、入社した時からずっと起業しようという思いはあったんですが、気持ちがブレるような時期もあって。当時は転職を考えたりもしました。そんなときによく本音で話をしていたのが、エウレカを一緒に立ち上げた西川順さんでした。

25歳でついにエウレカ創業へ

西川さんはイマージュ・ネットに入社したタイミングが一緒だったのですが、彼女はオールアバウトやサイバーエージェントで実績を積んだ後に転職してきていて。最初は部署も違ったので、ほとんど関わりもありませんでした。

よく話すようになったのは、西川さんが僕の部署のマネージャーになったタイミングです。当時はお互いに他社から就職のオファーをもらっていたので、今後のキャリアについてディスカッションしていました。

僕が「生命保険会社の面接がうまく進んでいるんです」と言ったら「本当にそれで大丈夫?」と返されて、よく考えてみると「確かにな」と思い断りの連絡を入れる。そんなやりとりをしていましたね。

そうこう悩んでいるうちに、結局は自分で責任持ってやった方が楽しいし、もう会社をやるしか選択肢がないな、と。そのときに「自分は将来、会社を立ち上げようと思って入社したこと」を思い出しました(笑)

同じ時期に金山さんとの出会いもありましたし、起業以外の道を考えられなかったので「西川さん、僕は会社を立ち上げようと思っています。一緒にやりませんか」と声をかけたんです。

そうしたら、西川さんもこれまでのキャリアでサービスのプロデューサー、広告営業と一通り、いろんな経験をしたこともあって、何か面白いことをやりたいと考えていたみたいで。結構、軽い感じで「いいよ」と言ってくれました(笑)

ちょっとしたノリでエウレカを立ち上げましたね。具体的に何をするのか、手がける事業は会社を立ち上げた後に考え始めました。


起業したての頃
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文=大崎真澄 写真=小田駿一

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