来る2020年、「ドバイ」はどう変化を遂げていくのか?

太陽光発電を利用したスマートコミュニティ「サスティナブルシティ」

砂漠やモスク、そして木造船が浮かぶクリーク。ドバイの発展の礎となった歴史や取り囲む環境を知ると、過去から現在を結んだ延長線上に、未来のドバイの姿が見えてくる。

砂漠の民は噴水がお好き

世界最大のショッピングモールとして有名なドバイモールの横では、世界最大を謳う噴水ショー「ドバイ・ファウンテン」が開催されている。高さ150mまで、2万2000ガロンもの水を吹き上げる。砂漠の民にとって、貴重な水をふんだんに使うことは最高の贅沢だ。

ビーチでの開放的なイベント

超富裕層から、経済的に優遇されているエミラティ、そしてドバイに可能性を求めて集まる外国籍のビジネスパーソン、そして月に3万円程度の給料で建築工事などに携わる外国人労働者。スーパーラグジュアリーの世界もまたドバイの一つの姿ではあるが、その一方で「ドバイ・フード・フェスティバル」のように高級グルメやストリートフードが通常よりも安価に食べられる、庶民的なレジャーも開催されている。


(左)噴水ショー「ドバイ・ファウンテン」(右)ドバイ・フード・フェスティバル

未来と過去を見つめる額縁

高さ150mの巨大な額縁、「ドバイ・フレーム」。エレベーターにより移動する上部の展望フロアからは、北側の旧ドバイ地区であるオールド・ドバイと、南側のバージュ・カリファなどのニュー・ドバイを眺めることができる。

床には透明な素材が使用されており、民族衣装に身を包んだエミラティが、空に浮かんでいるようなスリリングな体験を子供のようにはしゃいで楽しむ姿も。展望体験の最後には、ドバイの歴史と50年後の未来をVRで体験できる「バーチャルメトロポリス」も楽しめる。


床に透明な素材が使用されているドバイ・フレームでは、スリリングな体験が可能。

サスティナブルな生活のために

ドバイ中心部から南へ約30キロの位置にある「サスティナブルシティ」は太陽光発電を利用したスマートコミュニティ。約500万平方フィートの敷地に、500戸の住宅、ホテル、モスク、学校、オフィスに商業施設を備える。敷地内のバイオドームではトマトやレタス、パセリなどの野菜を育てており、入居者は月に8枚配布されているチケットと引き換えに家庭で食べる野菜をピックアップすることができる。

開発を進めているのはドバイのDiamond Developers社。すでに90%のレジデンスには入居者がいる。
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文・写真=青山鼓 取材協力=ドバイ政府観光・商務局、トラフコ、ルネッサンス ダウンタウン ホテル ドバイ

この記事は 「Forbes JAPAN 100通りの「転身」」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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