来る2020年、「ドバイ」はどう変化を遂げていくのか?

太陽光発電を利用したスマートコミュニティ「サスティナブルシティ」



3Dプリンターオフィス

3Dプリンターで作ったオフィス


“これは3Dプリンターで成形された素材で作られた実験的な建物です”。国営プロジェクトであるDubai futurefoundation のノア・ラフォード氏は説明する。建築と不動産とエンジニアリングは、ドバイ経済の30%を占める領域であるにもかかわらず、セメントを使い、シャベルで掘るといった手作業によるところが大きい。このオフィスを建築することで、テクノロジーによる効率化を探った。プリンティングに17日、組み立てはわずか2日だったという。

ビッグイベントへの期待も高まる

2020年に開催されるExpoに向け、街には看板やタペストリーが設置され、盛り上がりを見せるドバイ。過去最大の180カ国が参加し、2500万人の来場客を想定。アフリカ、南アジア、中東のエリアにおける初の開催となるため、特にアフリカ諸国と協調しながら進めていくという。Expoのプロジェクトに関わるスタッフの半数以上がエミラティではなく外国籍だというあたりも、ドバイらしさを感じさせる。

モダンに洗練されたスポットも続々

Expo向けにホテルの整備も急ピッチで進められている。今回は、バージュ・カリファから1キロ程度とロケーションの良い「ルネッサンス ダウンタウン ホテル ドバイ」に滞在。マリオット・インターナショナルが運営する、ラグジュアリーな時間を過ごすことのできるホテルだ。ウォーターキャナル、または超高層に面した広い窓から眺める景色も旅情をくすぐる。


(左)ルネッサンス ダウンタウン ホテル ドバイ(右)BLEUBLANC by デイビッド・マイヤーズ

森本正治シェフによるレストラン「Morimoto」、デイビッド・マイヤーズによる薪火で焼き上げるグリル料理が絶品の南仏レストラン「BLEUBLANC」など食も充実。

圧倒的な迫力の巨大建造物、想像を絶するスケールの人工島、いたるところで「世界最大」「世界最高」が謳われる華やかさ。街を歩けば、日本とは比にならないほど多くの人種とすれ違うグローバルな社会。

実は筆者は2年前にドバイを訪れている。街中のいたるところで行われていた道路工事や新しいビルの建築に、成長の勢いを感じていた。そんなエネルギーあふれる空気感はそのままに、いま改めて見たドバイでは、郊外にも多くのレジデンスが整備され、新たな中心地になることを目論むかのような開発が繰り広げられている様子が印象深い。

ドバイといえば贅を尽くしたラグジュアリーなリゾートに目が向きがちだが、街を歩き、訪れるごとに変化を続ける今のドバイのパワーを感じることもおすすめしたい。そして、変わることなくそこに佇む、広大な砂漠もまた「いま行くべきドバイ」だ。

文・写真=青山鼓 取材協力=ドバイ政府観光・商務局、トラフコ、ルネッサンス ダウンタウン ホテル ドバイ

この記事は 「Forbes JAPAN 100通りの「転身」」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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