──近年の分散型動画メディアの市場は群雄割拠の様相です。競合が追随してきた際の対処のポイントを教えてください。
これは、LINE時代に韓国や中国などの企業を見てきて思ったことですが、「質」と「スピード」両方を実現することが大切です。日本の企業の多くは「質」は高いけれど「スピード」が遅い。それでは結局負けてしまいます。「スピード」に関しては、「コピーできないビジネスは無い」という前提に立って、コピーされるよりも早く動く意識が重要です。
──「スピード」を高めるために、どのように組織を動かしていくことを意識されていますか?
些細なことですが、会議を減らす、ドキュメント作成に時間をかけない、サービス開始後すぐにマーケティングをする等、とにかく早く意思決定できる土壌を作ることが大切です。
また人材配置においても、まずはスピードの早いメンバーに任せること。例えば前職のLINEでも、スピードがすごく早いけれど、仕事の質は荒い、という人がいる場合は、一旦作らせて、あとで仕事の質を高くして、磨き上げる、ということをやっていました。
C Channelでは、フットワークが軽いメンバーにまずは仕事を任せてみる。その間に、質を磨き上げる体制だけ準備をしておいて、最後はそのチームにパスして磨き上げるようにしています。人の資質を見極めて、組織が「質」と「スピード」を両方実現できるよう、人材配置をすることが重要です。
──会社がある程度の組織規模になると、エンジニアとクリエイティブ、営業といった、組織間の壁がスピードを阻害するケースもあるように思います。それらに対する対処法をお聞かせください。
そこは現状、私が組織の間に入り込んでサポートしてしまう場合が多いかもしれません。開発経験があって仕様書もかけるし、動画も詳しいし、営業もできるので。そこはベンチャーの起業家らしく、臨機応変にやっています。