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I write about interesting Chinese companies

fizkes / Shutterstock.com

「中国版WeWork」と呼ばれる「Kr Space」の創業者、Liu Chengchengのオフィスを訪れると、整頓された机の上には赤線を引いた雑誌記事が置かれていた。その記事は、コワーキングスペース業界の巨人WeWorkに関するものだった。

「我々はデータを非常に重視している。特にライバルに関するデータには注目している」とLiuは北京市内の高層ビルにあるKr Spaceのオフィスで語った。

現在30歳のLiuは、中国に進出したWeWorkとの勝負に全力を尽くしている。ニューヨークに本拠を置くWeWorkは既に26カ国に進出し、評価額は昨年時点で200億ドルに達した。同社は最近、ソフトバンクなどから新たに10億ドルを調達した。

WeWorkはシックな装飾や広い共有スペース、無料のビールやヨガセッションの提供などにより、瞬く間にグローバルブランドへと成長した。しかし、中国での勝負では市場を熟知するKr Spaceに分があるとLiuは考えている。

「WeWorkは中国ならではの要求が多いことに気づかず、事業拡大が想定したスピードで進んでいない」とLiuは話す。Kr Spaceのビジネスモデルは基本的にWeWorkと同じだ。デベロッパーからオフィススペースをリースして改装し、フリーランサーや企業に1シート当たり月間1000-6000元(約1万-9万6000円)ほどで転貸する。

Kr Spaceの強みは、中国での建築や安全に関する規制に対応したり、中国の労働文化に合ったオフィスデザインに改装できる業者と提携していることだ。中国企業では、朝9時から夜9時まで週6日間勤務する「996」と呼ばれる勤務スケジュールが常態化している。

ニュースサイト「36 Kr」代表が創業

このため、Kr Spaceによると無料のビールや卓球台よりも金融や法務の無料コンサルティングサービスを提供した方がユーザーのニーズに合致しているという。Kr Spaceは、Liuが2011年に設立したアリババ傘下のテック系メディア「36 Kr」からスピンオフする形で2016年に誕生した。

Liuは現在も36 Krの代表を務めている。Kr Spaceの広報担当者によると、6月時点での拠点数は11カ所、オフィススペースの総面積は27万㎡、会員数は4万人に達するという。

Kr Spaceの成長には投資家も注目している。関係者によると、同社は新たに2億ドル以上を調達する予定で、このラウンドでの評価額は10億ドル以上だという。投資会社「IDG Capital」のパートナーであるJeacy Yanによると、Kr Spaceは経費管理にも優れているという。「オフィスシェアは運営のローカル化が重要であり、地元企業が勝つ可能性が高い」とYanは話す。

投資会社「Gobi Partners」のパートナーであるKen Xuは、Liuの存在こそがKr Spaceの成長を支えていると指摘する。Liu は36 Krの経営者として多くの起業家たちと接点を持ち、彼らのニーズをよく把握しているからだ。

編集=上田裕資

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