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「Nylon」編集長のGabrielle Korn(Photo by Jonathan Leibson/Getty Images)

女性向けメディア「Nylon(ナイロン)」編集長のGabrielle Kornは、先日開催した「ビューティー・イノベーション・アワード」の会場で、聴衆らにこう語りかけた。「2018年の現在、何がクールだと思う?」

その答えを知っているのは、きっとKorn自身だろう。1999年に創立のNylonは変貌を続けてきた。紙の雑誌として始まったNylonは昨年、デジタルオンリーのメディアに転換し、サイトのユニークビジター数は月間150万人に達している。

そのNylonは先日、スキンケア用品の「Clarisonic」とパートナーシップを結び、美容分野の優れた女性起業家を讃えるアワードを開始した。第1回の大賞を受賞したのは、「ザ・オネスト・カンパニー」創業者で女優のジェシカ・アルバだ。

「女性たちは、ビューティーというキーワードで団結することができる」とKornは話す。Nylonが送り出すメッセージはフェミニズムとリベラル色が強く、美容とは必ずしも相性が良いとはいえない。メイクアップやスキンケア産業は、女性たちが憎むべき対象であるシワやニキビ、余分な脂肪を除去することをゴールとしている。

しかし、Nylonが今、打ち出そうとしているのは、美容に対する新たなスタンスだ。女性たちは自分自身を楽しむために美容に取り組むべきなのだ。Kornやアルバたちは、美容が女性のエンパワーメントに欠かせない、日常の一部であると主張する。

「私たちがやらないと決めたこと。それは、アンチエイジングやダイエットに絡むもの」とKornは話す。「Nylonは読者たちのライフスタイルを否定しない。外見の問題を解決する手段として美容を扱わない。これは他のメディアとは大きく違ったスタンスだ」と彼女は続けた。

Nylonがオーディエンスとして想定するのは、フェミニズム的価値観と美容への情熱をあわせ持つ女性たちだ。その日、壇上にあがったジェシカ・アルバは、美容業界の価値観を変えていく意志を鮮明にした。彼女は2015年に「オネスト・ビューティー」を創業、今年初めには新たに2億ドルの資金を調達した。


「ザ・オネスト・カンパニー」創業者で女優のジェシカ・アルバ(Photo by Stefanie Keenan/WireImage)

事業の立ち上げにあたりアルバは、周囲の人々から常に、「他の企業の製品を宣伝したほうが、ずっと楽にお金儲けができる」と言われていたという。しかし、彼女は自身が理想とする美容プロダクトへのこだわりを捨てなかった。

「世界の美容市場は950億ドルにも達する巨大なもの。透明性や安全性をキーワードに、業界の姿勢を変えていきたい」

NylonはClarisonicとの提携により、間もなくサイトの内容を刷新する予定だ。しかし、KornはNylonというブランドが本質的に持つ、インディーでポップカルチャー寄りのスタンスは絶対に崩さないつもりだという。

「インディーとポップカルチャーの架け橋となるメディア。それこそがNylonに与えられた役割だ。自分たちが発信したいものだけを発信する姿勢は変わらない」とKornは話した。

編集=上田裕資

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