トルコ最大の仮想通貨取引所「Koinim」は、ビットコインの取引高が63%の急増となったと報告した。一方、「CoinMarketCap」のデータでも、トルコの取引所「BTCTurk」と「Paribu」の取引量がそれぞれ、35%増と100%増になっている。
トルコでは仮想通貨がまだ規制されておらず、新たに仮想通貨の取引を始める人も多い。現地の仮想通貨ユーザーは、トルコの通貨危機の行方に危機感を高めている。
イスタンブールでビットコイン投資を行なうBitmovと名乗るユーザーは、「CoinDesk」の取材に対し、ビットコインで海外のデジタル広告を購入していると述べた。
「トルコの通貨のリラの値下がりや、トルコ政府の地位の低下を懸念して、1年半ほど前から個人で仮想通貨取引を開始した。仮想通貨で資産を保有するほうが、安全だと思う」とBitmovは述べている。
ツイッター上でBit_gossipと名乗るユーザーも取材に対し「トルコでは毎日のように、新たな仮想通貨取引所が生まれている」と話している。
米トランプ政権によるトルコの鉄鋼やアルミに対する関税引き上げへの懸念が高まるにつれ、リラの価値は急落。今年に入り過去最安値を更新した。
トルコの財務大臣、Berat Albayrakは8月12日の地元メディア「Hurriyet」のインタビューで「金融機関は必要な対策を講じるべきだ」と述べたが、ロイターによると対処方法はほとんど存在しないという。
Albayrakのコメントは、トルコ大統領のエルドアンが今回の通貨の下落が、海外からの圧力によるものだと発言したのを受けてのものだ。報道によると、エルドアンはリラの下落を食い止めるため、トルコ国民に手持ちのドルやユーロ、金などの資産をリラと交換するよう求めているという。
トルコ国民が自国の通貨への信頼を失った場合、ハイパーインフレ下のベネズエラで起きたビットコインや仮想通貨の高騰が、再現される可能性もある。