中国は「スパコン界の次世代王者」と呼ばれるEクラスコンピュータの開発戦線においても、米国を超えようとしている。中国の国防科技大学はこれまで「天河1号」や「天河2号」と呼ばれるスパコンの開発を続けてきたが、先日は「天河3号E級試作機」の開発を終え、世界最速のスパコンとなる「天河3号」を2020年までに実用化すると宣言した。
中国はスパコン分野でも急速にイノベーションを加速しており、「天河3号」の計算速度は2010年に開発された「天河1号」の200倍、保存容量は100倍に達するという。天河3号には中国が独自に開発した、3つのチップが用いられ、超ハイパフォーマンスなコンピューティングやコミュニケーションを実現したという。
天河1号は既に1600社の企業や政府機関で使用され、石油や天然ガスなどのリサーチ分野をはじめ、ハイエンドの製造業や医薬品の研究、大気汚染や天候情報の分析などに用いられている。
スーパーコンピュータ分野では現在、米国のIBMの「Summit」が世界最速の処理能力を持つとされているが、近い将来に中国がこれを追い抜くことになるかもしれない。