ストリーミング端末「Roku」の破壊力が高まる4つの理由

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テレビは変化している。米国では従来からあるケーブルテレビや衛星テレビのサービスの利用をやめる「コードカッティング」が増加を続けている。

インターネットを通じて映画を見たりゲームを楽しんだりすることができるストリーミングサービスを提供する「Roku(ロク)」は、ストリーミング視聴を可能にするシンプルなハードウェアを顧客に提供することで、こうした変化の先頭に立っている。

ソーシャルメディアに投稿されるコメントに基づく情報を分析、消費者動向に関するデータを提供する米ライクフォリオによると、米国で次に“誰でも知っている”名前になるのは、「Roku」だと見られている。その主な理由は、次の4つだ。

1. ストリーミングの台頭

ケーブルテレビや衛星テレビの利用をやめる消費者が増え続けるなか、衛星テレビのディッシュ・ネットワークは先ごろ、今年第2四半期には加入者数が約19万2000人減少したと発表した。

一方、同社はまた、ストリーミングサービスであるスリングTVへの同期の加入者が約4万1000人に上ったことを明らかにしている。

2. 競合各社の間で善戦

Rokuのメディアストリーミング端末は、使いやすさに定評がある。ケーブルテレビと同じように、ネットフリックスやアマゾン、ユーチューブなど複数社の動画ストリーミングサービスを簡単に利用することができる。

「Roku」はアマゾンの「Fire TV」やアップルの「Apple TV」、グーグルの「Chromecast」などと並び、最も評価の高いメディアストリーミング端末とされている。

3. 市場シェア拡大への期待

スリングTVは今年から、ストリーミングサービスの新規加入者に「Roku Express」を無料で提供している。Rokuにとってこれは、ディッシュによる端末の購入とそれによる売上高の増加、消費者の間における知名度の向上など、複数のメリットがある。

Rokuの加入者は2200万人近くに上っている。同社が仮にケーブルテレビ事業者だったとすれば、国内第3位の規模ということになる。

4. パーソナライズド広告による収益力の向上

Rokuのアクティブユーザーの1日当たりの平均視聴時間は、2.8時間。同社はこれを収益化するために昨年、企業からの広告料で運営する独自チャンネル「The Roku Channel」を立ち上げた。

パーソナライズされた広告で従来のオンライン(バナー)広告を“破壊”したグーグルやフェイスブックと同様、Rokuも全ての広告をパーソナライズして配信している。つまり、より高い広告効果が期待できるということだ。無差別に配信される広告よりも大幅に高い料金を、広告主に提示することができる。

編集=木内涼子

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