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2018.08.15 17:00

アフリカ金融革命——銀行口座を持たない10億人の農民にいま起きていること

Nataly Reinch / Shutterstock.com



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ルワンダを拠点に東アフリカで活動するEXUUS社はこの共済組合をデジタル化する「SAVE」というソリューションを提供している。

まず、彼らはルワンダ国内にある全共済組合を調査し、各グループの貯蓄額、そこに加入するメンバーのプロフィールをデータベース化した。彼らの調査によると、このグループ全体で借りているローンの合計金額は2017年で約21億円にのぼり、ルワンダ国内の主要銀行が貸しているローンの合計値に年々近づいているという。

これは、銀行口座をもつ人が30%未満のアフリカだからこそ起こる現象である。SAVEはこの共済組合の各グループに共有デジタルウォレットを付与し、そのメンバーがモバイルマネーを使ってデジタルウォレットに貯蓄する仕組みを提供する。それにより誰がルールを守り、誰が守っていないのかを解析し、過去の履歴をもとに個々人に信用のスコアリングを提供する。個人だけでなく他グループメンバーの支払いや返済状況もスコアリングに反映されるため、全員でルールを守るという強い相互作用が生まれやすい。
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メンバーはその信用スコアリングを担保に通常より低い利子でローンへのアクセスが可能になるだけでなく、野菜を育てるためにレンタルしていた耕作機器をそれまでより安い金額で借りることができる、信用スコアが高い両親の子供は学校に通うための奨学金が政府から得られる等、多くのベネフィットが用意されている。

それまで自己資金を元に野菜を育てて販売していた農家の人々がテクノロジーにアクセスすることで、生活を豊かにする多くの機会と選択肢を得ることができるようになったのだ。

アフリカが生み出すのは新しい社会の仕組み

アフリカではハイテク技術ではなく、すでに存在する既存技術を組み合わせた最適な新しい社会の仕組みが求められている。先進国では当たり前のことがアフリカでは不足していて、不足しているからこそ本質を考え、既得権益や規制を飛び越え、地球上の過去の発展とは全く違う新しい仕組みをつくることにスタートアップはチャレンジしている。

モバイルからAI、IoT、ブロックチェーンの時代になり、これらの組み合わせによってどのような世界が実現されていくのか、まさにアフリカのリープフロッグ現象に注目したい。

文=寺久保拓摩

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