オバマが語った「人生の目的」を追求する方法

バラク・オバマ前米大統領( Aurelien Morissard/IP3/Getty Images)

バラク・オバマ前米大統領は先月17日、南アフリカで開かれた「ネルソン・マンデラ年次講演」で、マンデラ生誕100周年を記念する講演を行った。オバマは、希望と切迫感を各所に盛り込んだスピーチで、ミレニアル世代が切実に必要としていたメッセージを発信した。

私を含むミレニアル世代の間では「自信の危機」が起きている。発端は2008年の金融危機で、目の前に用意されていた「安定した人生計画」に穴が空けられた。その後、私たちが見つけた仕事は目的や意義に乏しいものばかりで、この危機はさらに悪化した。

オバマ大統領が選出された際には一時的に明るい兆しが見えたものの、その感覚は現政権の発足によってたちまち消え去った。現政権は、過去数十年間の進歩を大きく傷つけ、その傷口に塩を塗り続けており、私たちの多くは、自分の生活だけでなくこの国全体が危機に瀕していることを確信するようになった。

私たちの多くが、さまざまな方法でこの自信の危機に対処してきた。非従来型のキャリアに意味を見出す人、給与よりも目的を基に仕事を選ぶ人、コミュニティーや政治への関心を新たにした人などだ。しかし、私たちがいまだに理解できずにいるのは、自分たちの行動が果たして何らかの変化を生んでいるのかどうかだ。

オバマのスピーチは、たとえ現時点ではあまり変化がないように見えても、意味のある行動を取る勇気は必ず報われることを私たちに思い出させてくれた。たとえそれが、自分の生きている間でなくてもだ。オバマは、私たちに3つの信条を共有してくれた。これは、彼とマンデラが自分たちより大きな目的を諦めず、追い求め続けることを可能にしたものだ。

1. 優先事項を再確認することが必要

マンデラは、自身の知らないところでオバマにインスピレーションを与え、型にはまらない道を歩むことを促していた。「マンデラの光は、たとえロベン島の小さな独房からでも、とても強い輝きを放っていた。彼は70年代後半、地球の反対側にいた、ある若い大学生にインスピレーションを与え、自分の優先事項を見直させるとともに、世界が描く弧を正義へ向けて曲げるために自分が果たせる小さな役割を考えさせてくれた」とオバマは語った。

私たちの行動は、その瞬間には分からなくとも、自分が想像するよりはるかに大きな影響を与えられる。一人の行動がより大きな動きにつながることを、決して過小評価してはいけない。
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編集=遠藤宗生

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