シティ・フィールドスタジアムはメッツの試合では、ほぼ毎回満員になるが、コンサートに使用されることは稀だ。その理由は、このスタジアムを埋められるほどのアーティストはごく限られているからだ。
シティ・フィールドのキャパシティは最大で4万名。その全てが客席になるとは限らないが、わずかなヒット曲しか持たないKポップのアーティストがそこで公演を行なうのは、10年前には信じがたいことだった。
Kポップの人気は米国で年々高まっており、様々なジャンルで新たな記録を更新している。2012年にPsyの「江南スタイル」はビルボードのシングルチャートに、Kポップのアーティストして初のトップ10入りを果たしたが、その後も、彼らと同等の成功を収めた韓国語の楽曲はわずかなものだ。
BTSは2018年、ビルボードのアルバムチャート「Billboard 200」で、Kポップアーティストとして史上初の1位を獲得し、シングルチャートでも2曲を同時にトップ10に送り込んでいる。BTSは、スタジアムコンサートを実施することで、米国での人気の高さをさらに印象づけようとしている。
シティ・フィールドでコンサートを行なったアーティストには、これまでレディ・ガガやビヨンセ、米国を代表するカントリーバンドのザック・ブラウン・バンドらがいるが、BTSはそこに加わることになる。
今回のスタジアムライブは間違いなく、BTSにとって特別なショーになるだろう。一方で、これまで一部の層にしかアピールしないと考えられていたKポップが、ここまでの支持を集めることは、米国民にとっては衝撃的な事態ともいえそうだ。