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2018.08.17

東京から40分 熱海がいま「想像以上に熱い」理由

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観光地ならではの構造的な問題

ビジネスシーンが活性化しつつある熱海だが、構造的な問題もはらんでいると山崎氏は指摘する。

「熱海でのビジネスはどうしても観光客をターゲットにしたものになってしまいます。地元向けのサービスだと、どうしても限られた顧客の奪い合いになってしまうので」

かといって、観光客の数も繁忙期と閑散期で差がありすぎる。少ない時は、ピーク時の2分の1から4分の1まで落ち込む。そうなると、たとえ事業が軌道に乗っていても、安定して人を雇うことができない。平均時に雇用するとピーク時には人手不足に陥り、閑散期には人件費が利益を圧迫してしまう。

「これは、熱海のほぼすべての事業者が抱える問題です。熱海では年間を通して花火大会を実施していますが、そうした飛び道具的な集客だけでなく、もっと根本的な対策が必要だと思っています。物販なら通販サイトを利用したり、東京に販売ルートを作るなど、チャネルを増やしていくことも必要です。また、インバウンドに対する取り組みもまだまだ足りません。そろそろ次の一手を考えなくてはならない時期に来ているように思います」

V字回復したと言われている熱海の経済だが、必ずしも安泰ではない。だが、他の街にはない熱量を確かにはらんでいる。熱海がこれからどのように変わっていくのか、その鍵を握っているかもしれないビジネスやプロジェクトを今後、紹介していきたい。

文=高須賀哲

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