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開場は1897年で、当時は9ホールだった。コースは自然の地形を生かして発展し、戦時中に多少手が加えられたものの、元々のレイアウトからはほとんど変更されていない。1909年にはクラブハウスが建設され、数度の改装を経て、2013年春には現在の形となった。クラブハウスがコースの丁度真ん中に位置するというのは、他のリンクスコースでは滅多にない。


約一世紀の歴史をもつクラブハウス

鉄道はウエスタン・ゲイレスの歴史の中で非常に重要な部分を占めている。クラブに駅が作られたことで、グラスゴーのメンバーがエアーシア海岸に簡単にアクセスできるようになり、開発を効率的にすすめることができた。鉄道が廃止されたのは1966年だ。現在は、14番ホールにその名残を見ることができる。

コースは鉄道と海の間、ちょうど18ホール分のスペースをうまく利用して作られているが、特に5番ホールから12番ホールまでの海沿いのレイアウトは、著名なリンクスコースの素晴らしさとなんら変わりない。隣接するゲイレス・リンクス・ゴルフ・コースとあわせて、美しい景色で有名なエアーシア海岸の最も北方の狭い位置にあるこのエリアは、さすがリンクス母国のスコットランドならではだ。

土地柄から、現代ゴルフトーナメント開催コースとしては距離が短いが、グリーンの難しさと戦略性の高さは最初の2ホールを回るだけですぐにプレイヤーが実感するところであろう。グリーンへのアプローチが狭く、手前から乗せていくにも簡単ではない。

数日間、我々からすると台風級の風にも悩まされ、コース攻略はままならなかったが、それもリンクスの醍醐味。見上げるような高いグリーンや、狭いフェアウエイなど、毎ホールまことに飽きない。7番パー3のティーグラウンドから眺めるクライド湾と、アラン島の山頂の景色は圧巻である。

ここまでのホールでほとんどアゲインストの風に苦労してきたプレイヤーにとって、フォローの風に恵まれる14番パー5は、長距離ヒッターとして2オンを狙いたくなるところであろう。しかし、もしも届かないと、待ち受けているバンカーに捕まって手こずることになるので注意が必要だ。隠れたバンカーが意外と多いので、クラブハウスに戻ってキャディーマスターに確認すると、なんとコース全体に100ものバンカーがあるということで、合点がいった。

このコースでの午前中のプレーを楽しんだ後、19番ホールでギネスを堪能していると、キャディーに「自分のホームコースもウエスタン・ゲイレス並みに素晴らしいから」と誘われた。そこで午後には、キャディーに教わったグラスゴー・ゴルフ・クラブでプレーする機会を得た。ウエスタン・ゲイレスのすぐ北に存在し、地元市民からも深く愛されている、歴史あるゴルフコースだ。思いがけずビジターとしてプレーできた我々は、本当にスコットランド人のゴルフへの愛着に深く感動することとなった。リンクスへの愛を更に深めていくきっかけにもなった1日であった。


こいずみ・やすろう◎FiNC 代表取締役CSO/CFO。東京大学経済学部卒。日本興業銀行、ゴールドマン・サックスで計28年活躍。現役中から、インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢・発起人、TABLE FOR TWO Internationalのアドバイザーなど社会貢献活動にも参加。お金のデザイン社外取締役、WHILL、FC今治のアドバイザー。

文=小泉泰郎

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