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ライフイズテックCEO 水野雄介

「そもそもビジネスは、人々を幸せにし、一歩前へ進めるためにある。でも、株式市場は、利益を評価軸として株価をつけるという方程式に縛られ、理念を最優先できず悩む企業も多い。だから『ソーシャルIPO』をして、風穴を開けたい」

そう話すのは、ライフイズテックCEOの水野雄介。同社は中高生にプログラミングを教えるキャンプやスクールの運営、ディズニーと提携して開発したプログラミング学習教材『テクノロジア魔法学校』を提供するエドテックベンチャーだ。

「ソーシャルIPO」は、水野による造語。企業が上場する際、収益性だけではなく、事業がもたらす社会的なインパクトを示すのが特徴で、国内市場での上場を想定している。

同社は資金調達で、社会的ミッションに対する株主の同意を明文化することにこだわってきた。たとえ高い収益性が見込めるとしても、「中高生一人ひとりの可能性を最大限伸ばす」にそぐわないビジネスはやらない。

2014年にシリーズAで総額3.1億円の調達でも、投資契約書に「中高生を対象とした教育以外の事業は行わない」と明記し、VCからの承認を得た。株式公開でも、こうした株主との関係構築を目指す。定款にミッションを明記し、B Corpなどの第三者認証制度や種類株式の発行等を検討している。

ソーシャルIPOの肝は、株主が納得できる形で社会的インパクトを計測すること。世界でも手法は確立されていないが、同社はサービスを受講した2万8000人以上の中高生の一部を対象に調査を実施。進路の変更、アプリのリリース、起業など、受講生の人生と社会に与えた影響を調査し、独自の指標化を進める。

インパクトの計測は、可視化されていなかった企業の実績に光を当てる。たとえば、スクールでプログラミングに目覚めた中学生が起業し、後に1兆円企業をつくる。1人への指導で得られる利益は小さいが、生まれる社会的影響は絶大だ。

「今年はじめ、ブラックロックのトップは、すべての企業が財務だけでなく社会への貢献を提示すべきであると発表しました。利益と社会的インパクトの双方をベースに企業価値が決まる世界は、遠い未来の話ではない。ソーシャルIPOを、そんな未来の入り口にしたい」

文=山本隆太郎 写真=小田駿一

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