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2018.08.12 11:30

SUSHIに続き世界へ広がる日本の「おむすび」

色とりどりのおむすびが並ぶ「SAMRICE」の店舗(SAMURICE提供)

日本の米料理と言えば、多くの国で「SUSHI」が知られているだろう。しかし、日本の米料理はSUSHIだけではない。日本人のソウルフードとも言うべき「おむすび」の海外進出がこのところ相次いでいる。

郷に入れば郷に従え

2014年7月に、シンガポール初のおむすび専門店としてオープンしたのは「SAMURICE」。日本産の米を使った同店のおむすびは、おむすびの中に具を入れるだけでなく、上にも具がたっぷり盛られている。

これには、シンガポールならではの理由があるのだと運営会社SAMURAI FOOD代表の長山哲也さんが言う。

「東京で修行させていただいたおむすび屋『ぼんたぼんた』の手むすびを踏襲しているのですが、おむすびの中身だけでなく、トッピングとして具をたくさん盛っているのが、現地の食習慣にも合っているのだと思います。日本人がおむすびの一口目に“お米と海苔だけ”でもおいしく感じるのとは違い、シンガポール人は普段お米にさまざまなおかずをかけて食べるため、一口目から具とお米を一緒に食べられるほうがおいしく感じてもらうことができます」

「それと、並べた時の彩りの豊かさ。日本のコンビニで売られている工場生産のおむすびは、具が見えず、ラッピングに鮭やツナマヨなどと書かれていますが、シンガポールでは、具が見えないとおいしそうだと思ってもらえないのです」

他にも、タイ料理のガパオ風のおむすび、パクチーをトッピングしたシンガポールチキンライスのおむすびなど、“アジアンフードのおむすび化”という試みも。同社で使用している日本の契約農家の米は、和風だけでなくエスニックの具も受け止めているようだ。

同社は現在シンガポールで5店舗とデリバリー事業を展開し、アメリカでも2店舗を展開している。

おむすびに対するイメージも変化

他民族国家で食文化も多彩なシンガポールはさておき、米食文化のある国とない国では、おむすびに対する認知の度合いや浸透の仕方には違いがあるのだろうか。

米食文化があるベトナムのホーチミンには、アンジメックス・キトクが運営するおむすび屋「東京むすび」が2016年2月にオープンした。アンジメックス・キトクは、米穀販売を主力とする日本の食品卸売大手の木徳神糧と、ベトナム・アンザン省の輸入公社アンジメックスによる合弁会社だ。


ベトナム産ジャポニカ米を使った「東京むすび」の鮭おむすび(筆者撮影)

東京むすびの塩むすびは、日本の新潟県産コシヒカリを使用。具材入りのおむすびは、同社がベトナム南部のメコン川流域の稲作地帯で栽培したジャポニカ米を数品種ブレンドして使っている。
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文=柏木智帆

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