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Photo by Omar Marques/Anadolu Agency/Getty Images

テスラCEOのイーロン・マスクは、先日行なわれた業績発表の場で、以前から噂されていた自動運転車用AI(人工知能)チップの自社開発を行なっていることを認めた。

マスクとチップ設計者のピーター・バノンは詳細を明らかにしていないが、チップの性能や効率性について興味深いことを述べている。特に注目すべきは、チップが他社製品に比べて10倍の性能を発揮すると話した点だ。

しかし、エヌビディアが3年前にリリースした旧式プラットフォーム「Drive PX2」と比較しているのであれば、大した性能だとはいえない。テスラの「オートパイロットV2」は、Drive PX 2を使用していることが明らかになっている。

エヌビディアの次世代ソリューション「Drive Xavier」は現行のSoCに比べて10倍以上の性能を持ち、「Drive Pegasus」は毎秒320兆回の演算を実行できる。これだけの性能を持つソリューションが手に入るにも関わらず、テスラは大きな賭けに出ることになる。

マスクは、「CPUとGPU間のデータ通信が、システムにとって大きな制約となっている」と述べている。しかし、これについてもエヌビディアの通信プロトコル「NVLink」がプロセッサ間における高速通信を実現している。テスラはエヌビディアが開発している製品を知らずにチップ開発を進めた可能性も否めない。

テスラの新型チップは、グーグルの深層学習プロセッサ「TPU」と同じく「ASIC(特定用途向け集積回路)」であることが予想される。つまり、「FPGA」のように書き換えができず、GPUのような柔軟性も持たない可能性が高い。AISCには良い点と悪い点があるが、今後の10年間を考えるとASICの方が効率よく動作する。

しかし、LIDARシステムでさえ安全基準に対応したり、ミスを修正するためにFPGAを採用している。テスラのチップが書き換えのできない仕様だとすると、出荷段階で一つのミスも許されない。また、他のASICチップと同様に抽象化レイヤーがあり、性能を落としながら複数のソフトウェアの実装を可能にしている可能性が高い。そうだとすると、ソフトウェアのアップデートに長い時間を要したり、安全上の問題点を修正する上で制約が生じる可能性がある。

編集=上田裕資

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