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I study technology disruption in individuals, companies and societies.

Aleksei Potov / Shutterstock.com

米自動車市場では今、とても面白いことが起きている。テスラ初の中型車である「モデル3」の7月販売台数が、競合する他の高級車ブランドを超えたのだ。

クリーンテクノロジー関連の情報サイト「クリーンテクニカ(CleanTechnica)」によると、モデル3の月間販売台数は約1万3500台で、BMWやメルセデス・ベンツ、アウディ、レクサス、キャデラック、インフィニティ、アキュラ、ボルボ、アルファ・ロメオ、ジャガーなどの小・中型高級車をすべて上回った。

販売台数だけではない。興味深いのはモデル3の評価だ。他のテスラ車と同様、運転が楽しい車としてだけでなく、「巨大なスマートフォン」(米紙ワシントン・ポスト)と称されている。機能面での一定の制約はあるものの、同社のコンセプトがうまくいったことは明らかだ。アップルが再定義して進化させたコンセプトに他社が追従したのと同じく、他の自動車メーカーもテスラに追従することだろう。

他の自動車メーカーが運転支援機能の追加を通じて自動運転の実現を目指す中、テスラは今月リリースするソフトウエアのバージョン9で完全な自動運転機能の提供に至る可能性がある。既に同社の車を購入済みの人の多くは、一夜にしてこのアップデートを手にできるのだ。

米国のような伝統ある市場で突然、電気自動車が主要部門の主力モデルに躍り出たらどうなるのか? テスラにとって、モデル3は最初からチャレンジだった。モデル3は中流と上位中流の世帯をターゲットとした同社初の車で、最低価格は3万5000ドル(約390万円)。テスラは、2018年第2四半期までに1週間のモデル3生産台数を5000台にするという目標を、5時間遅れではあるが達成した。

これが同社の戦略の重要な部分であることは、イーロン・マスクCEOによる2006年8月のブログ投稿でも明かされている。そのために同社は大量の従業員を雇い、過剰な機械化と批判された方針を転換し、工場の外に巨大なテントを設置して大きな組み立てラインを作り、数億ドル(数百億円)の損失を計上した。

だが、それでもかまわなかった。テスラは車を生産しているのではなく、世界を変えているのだ。それには金がかかる。テスラはモデル3量産化の試みを通じ、自動車の製造方法を再発明しているのだとする見方もある。今月2日には市場がこの取り組みに報い、同社株は前日比16%高と、5年ぶりの急騰を記録した。

編集=遠藤宗生

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