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PRESSLAB / shutterstock

米国防総省(ペンタゴン)は軍隊や軍の重要施設で働く人々に対し、フィットネストラッカーや、その他の位置情報を用いたアプリの使用を禁止する通達を出していたことが明らかになった。

AP通信が入手した資料によると、ペンタゴンはGPSを用いるアプリから軍事活動や隊員の位置情報が漏れるリスクを指摘している。「位置情報を用いるアプリの利用は、国防総省の人員を、重大なリスクにさらすことになる」とそこには記載されている。

「人員のロケーション履歴や勤務履歴、さらに人員の配置数を把握されることで、軍の任務の遂行に予期せぬ結果がもたらされる可能性がある」と資料は指摘している。

今回の命令は、スマートウォッチやタブレット、スマートフォンやフィットネストラッカーといったデバイス自体の使用を禁ずるものではないが、軍の指揮官は特定の状況下において、GPSの使用を制限することができる。この命令は、軍事活動エリアでは常に適用され、個人のデバイスと政府が提供したデバイスの双方が対象となる。

この動きは、今年はじめにオーストラリア国立大学でセキュリティを研究する学生、Nathan Ruserがフィットネスアプリ「Strava」で個人の行動履歴が外部から見られる状態になっていることを発見したのを受けてのものだ。

Stravaは2年近くの間、ユーザーのロケーションデータを外部に露出させていた。そこには、アフガニスタンやシリアの軍事拠点のユーザーのデータが含まれ、ナイジェリアのフランス軍や、米ネバダ州の空軍基地「エリア51」のデータまであったという。

セキュリティ研究家のPaul Dietrichも、複数の国にまたがる特定の隊員の位置情報を、アプリのマップから取り出すことが可能だったと述べていた。

その後、同様な現象が他のアプリでも発生しているとの指摘があがっていた。市民ジャーナリストのサイト「Bellingcat」は先日、フィットネスアプリの「Polar Flow」から、Stravaを上回るデータが流出していると指摘した。

買い物アプリから出会い系アプリまで、膨大な数のアプリが個人の位置情報を流出させてしまうリスクを抱えている。AP通信が入手した資料によると、関係者は今後、セキュリティ上のリスクに対するトレーニングを受けるというが、対策は万全とはいえない。

短期的な視点では、これはそれほど重大な結果を招くことはないかもしれない。しかし、長いスパンで考えると、軍隊はより厳しいスタンスで個人のアプリ使用を管理することを求められる。

編集=上田裕資

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