そのアップルが8月3日、サンフランシスコでアップルペイの大規模プロモーションを始動させた。同社は「Lose Your Wallet」と題したキャンペーンを、8月5日(現地時間)までの期間、地元の小売業者との提携により実施中だ。
アップルペイ決済の利用で、受けられる割引は次の通り。レストラン「Asian Box」では50%のディスカウント。タピオカミルクティーで有名な「Boba Guys」では通常5ドルから8ドルのドリンクが1ドルに。革製品に特化したショップ「Fog City Leathers」では25%の割引。
さらに、スポーツ用品の「Lululemon」や書店の「Books Inc.」、メンズファッションの「Fenzi」など100以上の地元のショップやレストラン、その他の小売業者らがこのキャンペーンに参加している。
アップルがアップルペイ決済で得る利益は、100ドルあたり0.15ドルというごくわずかなものであるとされている。しかし、アップルはさらにその普及を促進させたい考えだ。利用の促進により、アップルは広範囲なデータを入手できる。
一方でクレジットカード企業らは、1決済あたり1.5%〜3%のトランザクション費用を得ており、小売店のマージンを奪っている。スーパーマーケットチェーンの「Kroger」は、手数料の高さを理由にVisaカードの取り扱い停止を検討しているとも伝えられる。
仮にアップルが決済分野の主要勢力となった場合、将来的には手数料を引き上げる、もしくは小売業者らに顧客のデータ提供を始めることも考えられる。
調査企業「Juniper」のデータでは、アップルペイやグーグルペイ、サムスンペイの利用者は2020年までに4億5000万人に達する見込みという。さらに、世界のモバイル決済利用者の2人に1人がアップルペイユーザーになるという。
アップルは今後の予定を明らかにしていないが、サンフランシスコで実施されたアップルペイのプロモーションは、将来的に世界の各都市に拡大すると考えられる。