ライフスタイルをビジネスに ヒントはパリより地方にある

南フランス、ゴルド村のセナンク修道院

土地と自然を結びつけたお土産を生むというブランディングは、地方創生のカギになります。

日本にも田舎に行けば素晴らしい村々があり、そこにはその土地でしか取れない産物がありますが、過去にいろいろな自治体を周り、首長さんに「地元の特産物は何ですか?」と聞くと、「うちの名物はお米、お酒、温泉」という答えが多いのには驚きました。

もちろんその土地のお米とお水でしか作れないお酒も自慢したいところですが、ツーリズムを生むという目線からも、そこに行かなければ見れない景色やそこでしかできない体験、その場所でしか買えないものとして、よりオリジナルなものや尖ったものが増えてもいいように思います。



気候風土が豊かな南フランスは、ライフスタイルを学ばさせてくれたり、暮らしの気づきを与えてくれる場所です。年頭に亡くなられた世界的作家、ピーター・メイルさんは、著書「南仏プロヴァンスの12か月」でそんなライフスタイルを愉快に描き、多くの人々に憧れを生んでくれました。

修道院にあふれる観光客を見ると、いまこの地を訪れる人々は、メイルさんの描いた南仏のライフスタイルや人情を味わおうとしているのか、インスタグラムの写真や動画から伝わる表面的で華やかな輝きに憧れているのか、ふと考えさせられるものですが……ライフスタイルをビジネスにする。南仏の田舎の村を訪問すると、日本にもチャンスがあるよな〜と思います。

地方を変えようとしている人には特に、パリへ行くのではなく、本当のフランスのある地方や田舎の観光の進んだ小さな村に踏み入れ、インスピレーションを得てもらえたらと思います。

ニース在住のシェフ松嶋啓介の「喰い改めよ!!」
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文=松嶋啓介

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