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アンドリーセン・ホロウィッツの共同創業者兼ゼネラルパートナーのベン・ホロウィッツ(Photo by C Flanigan/Getty Images)

シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタル(VC)の一つ、「アンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)」が自社のダイバーシティ推進に向けた改革に乗り出した。手始めにCEO経験者以外はゼネラル・パートナーになれないというルールを撤廃する。

2009年創業の同社は、エアビーアンドビー、バズフィード、フェイスブック、リフト、グルーポン、ピンタレストといった多様なユーザー基盤を持つ革新的な企業に投資してきたことで知られる。その一方で、社内の人事制度は旧態依然としており、従業員の昇格の機会が限られていた。

同社をはじめ、多くのVCの上層部は白人男性で成り立っている。投資家は投資先を検討する際、自分に近しい相手を選ぶ傾向がある。そして投資先の企業を成長させるために、自分が持つ専門知識や人脈を投入する。

そのため、白人男性以外の起業家、とりわけ黒人の起業家は不利な立場にある。黒人は米国民の13%を占めるが、CB Insightsの調査ではVCが投資するスタートアップのうち黒人創業者による企業はわずか1%に過ぎない。87%が白人創業者による企業、12%がアジア系創業者による企業だ。黒人起業家や黒人消費者に向けたビジネスの経営者が資金調達を行う時は、投資家に対してより多くの説得材料が必要になる。白人男性が馴染みのない業界や市場について、詳しく説明しなければならないのである。

構成人員の多様性の欠如は、VCにとっても損失だ。上層部が同じような価値観を持つ人々の場合、集団心理が働いて不合理あるいは危険な意思決定が下される危険性がある。その結果、投資行動や人材活用に不利益が生じるかもしれない。投資を行う前後の意思決定において、幅広い視点を持つことの有効性は明らかだ。

現時点ではアンドリーセン・ホロウィッツに黒人のゼネラル・パートナーはいないが、同社はこの改革を機に投資対象の多様性を重視し、黒人起業家によるスタートアップや黒人をターゲットとしたビジネスにも目を向けるべきだ。なぜならニールセンの調査によると、アメリカの黒人の年間の購買力は1.1兆ドル(約122兆円)に達する。企業の成長のためにも、この層を取り込まない手はない。

多様性を推進する試みは、他のVCでも進んでいる。ニュースサイトRecodeによると、「ライトスピード・ベンチャー・パートナーズ(Lightspeed Venture Partners)」は投資先の企業に対し、各部署のリーダーと役員を決める際に必ず1人以上のマイノリティ候補者を立てるように要請している。ただし、ライトスピード社が各社の人事選考のプロセスを確認する手立てはなく、実質的な投資の判断基準にはなっていないのが現状だ。

編集=海田恭子

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