ビジネス

2018.08.02

社会全体でベンチャーを育てる時代へ|出井伸之

クオンタムリープ代表取締役 出井伸之氏


企業の変革、つまりセカンドピークを起こそうとする動きが、徐々に起きつつある。

企業間での世代を超えた結びつきを起こしたのは、マネックスグループだ。今年4月、コインチェックをファミリーに迎え入れ、27歳の天才青年の和田晃一良さんと、経験豊富な経営者で55歳のマネックスグループCEOの松本大さんが結びついた。仮想通貨の未来は混沌としているが、こういった動きから新しいビジネスが生み出されていくと思う。

セカンドピークを起こすべくビジョンを打ち出したのは、フリービットだ。先日行われた株式総会後の株主との懇談会で、会長の石田宏樹さんは、フリービットにおけるTrusted Internet(=ブロックチェーン)ビジネスの今後の可能性について話をした。これが大変好評だったようだ。

私がソニーにいた時、創業当時から関わりのある両社が、成長して共に一部上場し、現在はさらにその先のビジネスモデルを考えている。大企業が変革のための次なる動きを1社でも2社でもみせていけば、徐々にムーブメントが起き日本の社会も変わっていくと思う。

アドベンチャーでいこう

昨年80歳になって、いろいろと考える機会があった。

ソニーを退任してから、ベンチャーや大企業に変革のアドバイスをしてきたが、これからは、"自分の考えから生み出した活動をしていきたい"と、一つに絞り込んだものが先にも出た「アドベンチャー・ビレッジ」 だ。

「勢いのあるベンチャーと、変革のビジョンをもつ大企業、さらにベンチャーキャピタルが合わさり、社会を変えるような大きなムーブメントを起こす」このような同じ思いを抱いている様々な活動と協力し合いながら、社会運動のきっかけとなるような貢献をしていきたいと思っている。

ベートーベンが作曲した交響曲第9番は、最後の第4楽章が一番の盛り上がりで、この交響曲のまとめでもある。
人生100年。私の第4楽章は、いま始まっている。

The IDEI Dictionary 〜変革のレッスン〜
過去記事はこちら>>

インタビュー=谷本有香 構成=細田知美 写真=小田駿一 取材協力=Quantum Leaps Corporation 撮影協力:Union Square Tokyo

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出井伸之氏のラストメッセージ

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