従来型スポーツのコーチらの間で、ビデオゲームに熱中する選手がチームの悪影響であるかどうかをめぐる論争が起きる中、子どもたちの間では、"ニンジャ"ことタイラー・ブレビンズのようなプロゲーマーの名が知れ渡っている。
ブレビンズはスポンサーやゲーム「フォートナイト」のプレー動画などにより、月に50万ドル(約5600万円)稼いでいるとされる。ほとんどの学校では、プロ野球選手のブライス・ハーパーよりもニンジャを知っている子どもの方が多いはずだ。
ユース層離れに苦しんでいる従来型スポーツとは異なり、eスポーツは熱心なプレーヤーやファンが非常に多い。その理由の一つは、ビデオゲームが多くの従来型スポーツと異なり、特別訓練に数千ドルもの金を費やす必要がなく、気楽にプレーできることだ。また、気難しい中年のコーチに怒鳴られることもない。
eスポーツが普及するにつれ生じる問題があるとすれば、それはソファに座りっぱなしになる米若者層の堕落ではない。問題は、より多額の金がeスポーツに流れ込むことで、従来型スポーツから子どもが遠のく原因となった多額の費用や親の過干渉が、eスポーツの分野でも生じてしまうことだ。