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2018.07.30 15:00

米ドラマ界を支える女性脚本家、ションダ・ライムズの人生


ライムズのテレビドラマのクリエイターとしてのキャリアが始まるのは、2003年のことだ。ABCに戦争特派員のドラマの企画を売り込みに行ったライムズは、現ディズニーCEOのロバート・アイガーから代わりに医療ドラマを提案される。2005年に放送が始まったそのドラマ「グレイズ・アナトミー」は大当たりし、シーズン1が佳境を迎える頃には2000万人以上の視聴者を獲得、エミー賞にも輝いた。

ライムズはネットワーク局の主要ドラマのショーランナー(数いるエグゼクティブ・プロデューサーの中で、現場のトップとしてドラマ製作を統括する者)を務めた初の黒人女性となった。

その後もライムズの快進撃は続き、「グレイズ・アナトミー」がシーズンを重ねる一方で(今秋始まる第15シーズンでABCのプライムタイムドラマ最多シーズン数を記録)、2012年スタートの「スキャンダル」と2014年スタートの「殺人を無罪にする方法」も大ヒット。特に後者の2本は、有色人種の女性主人公がワシントンDCのフィクサーや敏腕弁護士としてパワフルに活躍する姿が視聴者に支持された。

ネットフリックスでも初作品が始動

ライムズの番組が放映される木曜夜の枠はTGIT(Thank God it’s Thursday)」と呼ばれてブランド化し、「スキャンダル」の第2シーズンは1億ドル(約112億円)のCM収入をABCにもたらした。ABCがライムズのドラマから得た広告収入と放映権収入の総額は20億ドル(約2250億円)以上と言われる。2014年、ライムズはABCと4年間の独占契約を結んだ。

ABCの仕事に専念するかと思われたライムズだが、2017年8月、ABCとの独占契約を終了して前述のネットフリックスと契約し、現在はより自由に活動している。 ABCのドラマは継続しながら、ネットフリックスではドラマのみならず映画も作ることができる環境だ。ライムズのネットフリックスでの最初のプロジェクトは、ニューヨークの社交界を騒がせた実在の女性詐欺師を主人公にした連続ドラマになるという。

さらに昨年9月、ライムズは大手出版社のハーストと共同でShondaland.comを立ち上げた。メイン記事を執筆する彼女の肩書きは「チーフ・ストーリーテラー」だ。

編集=海田恭子

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