テクノロジー

2018.08.01 08:30

生体データで「自分を管理する」時代がやってくる

IoTウェアラブル「hamon」

IoTウェアラブル「hamon」

「もう中小企業と呼ぶのはやめよう」。規模の大小ではなく、社会に与える影響の大きさで企業を図るべきだ──。

そんな思いから、今年2月、Forbes JAPANは「ニッポンが誇る小さな大企業スモール・ジャイアンツ」アワードを発表し、反響を呼んだ。今月から、小さくても世にインパクトを与えるユニークな企業を紹介していく。


下の写真は8月4日朝9時半に放送されるテレビ東京系の子ども番組『ポチっと発明 ピカちんキット』の収録風景だ。子どもたちにこそスモール・ジャイアンツの面白さを伝えたいという思いから実現したForbes JAPAN初となる子ども番組とのコラボレーションである。

この番組はアニメと実写の2つのパートで構成され、おバカ発明集団「ピカちんズ」の実写パートにゲスト出演したのが本誌スモール・ジャイアンツ大賞を受賞したミツフジの三寺歩社長だ。



「紹介しよう! 今日のゲストはピカちん博士の友だち、三寺博士だ。早速だが三寺くん、どんなすごいものを発明したのか教えてくれるかね」

出演者に紹介された三寺社長の「ミツフジ」が世に生み出したのが、IoTウェアラブル「hamon」である。ウェアラブル製品は世に多いが、ミツフジが製造するウェアは世界的に注目を集めている。理由は、見た目も肌触りもふつうの布にしか思えないのに、精緻な波形を読み取れるから。さらに、取得した生体データを送るトランスミッターから、クラウド、解析までをワンストップで開発。

ボクサーの村田諒太らと提携するなど、スポーツ分野で注目されているほか、医療、介護分野でも大学、企業、自治体と提携して、hamonの実証実験が行われている。自分の生体データから体調の変化を把握するだけでなく、データ解析によって「未来の自分」を先回りして知ることが可能になる。

「占いビジネスよりも、確実な予測」と言われるゆえんだ。

各分野でそれぞれ実証実験が進んでいるが、北九州市の産業医科大学の人工気候室では現在、熱中症になりやすい猛暑日と同じ室温の中、hamonを着用してフィットネスバイクを漕ぐ実験が行われている。脳波や心拍数の変化から、体調変化が発生する前にアプリでアラートを受け取ることのできる仕組みを目指しているのだ。
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文=守屋美佳 写真=岩沢蘭

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