スプリングスティーンは現在、ブロードウェイの小劇場でわずか960人の客たちを前に、週に4〜5公演を行なっており、チケットは非常に入手困難な状態だ。昨年10月に始まった「スプリングスティーン・オン・ブロードウェイ」はこれまで150回以上開催されているが、12月15日の236公演で終了となる。ネットフリックスでの配信はブロードウェイ公演が幕を閉じたその日に開始される。
スプリングスティーンはこの公演で6月にトニー賞特別賞を受賞した。1回のショーで40万ドル以上の売上を生むこの公演は、「ハミルトン」や「ハリー・ポッター」などの有名ミュージカルの記録を塗り変える記録を達成している。
チケットの平均販売価格は500ドル以上で、その他のブロードウェイのショーと比較すると極めて高額だ。「ハミルトン」が最大の人気を誇った時期でも、通常のチケットは310ドルで販売されていた。
しかし、スプリングスティーンのファンたちは、この公演のチケットを買いたくても買えない状態が続いている。Walter Kerrシアターで開催中の「スプリングスティーン・オン・ブロードウェイ」の座席数は、週あたり4740となっており、米国だけでこれまで6400万枚のアルバムを売ったスプリングスティーンのファンベースの巨大さを考えると、入手が困難なのは自然なことだ。
このタイミングでネットフリックスでの配信が決定したことは、ファンにとっては非常に喜ばしいことのはずだ。また、米国のブルーカラーの代表だったはずのスプリングスティーンが、高値でチケットを売ることに反発を感じていた人たちにとっても、ネットフリックスでの配信は納得できることに違いない。