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カリスマファンドマネージャー「投資の作法」


ピンチのときこそ、投資で力に

このことをフェイスブックに載せたところ、読者の方から以下のような質問があった。「会社の株を買っても直接にその会社に資金が入らないのに、その会社の応援になるのかはわからない」

よくある疑問である。それに対する私なりの回答を述べてみたい。

株価は毎日夢見がちな投資家たちの気持ちを反映して変動する。つまり、株価……時価総額(株価×発行済株式数)というのは、会社の実体を表すだけでなく、その会社への「期待」や「人気」も表している。

そして、会社はその「期待」や「人気」によって安心して自分たちの事業に取り組むことができるようになる。実体としても、例えば、金融機関からの信頼も高まり、お金だってより調達しやすくなる。会社側からすれば、買収されにくくなり、より少ない株数の発行で大きな資産を得ることができるわけである。

また、災害にあって株価が暴落し続ければ、それは会社そのものが存続の危機にあることを表してしまうので、信用を著しく押し下げることになる。取引先から取引停止処分を受けることになる。

だからこそ、ピンチのときに多くの投資家が現れ、自社株に投資することで、会社は勇気付けられ、前向きに事業に取り組む意欲が湧くというものである。

読者諸賢もそういう意味で、災害があったときは株を売るより、むしろ応援したい企業の株に投資をしてみたらいかがだろうか?被災した会社の応援にもなるし、結果的に株式を安く買えれば大きな利益だって得られる。

私がこの仕事を始めたのは1990年のことだ。それから記憶しているだけでも、阪神大震災、地下鉄サリン事件、ベアリングス銀行の経営破綻、山一證券の経営破綻、インターネット・バブルの生成と崩壊、りそな銀行への公的資金の注入、ライブドア・ショック、リーマン・ショック、東日本大震災、バーナンキ・ショック、ユーロ危機、チャイナショックなど数々の災害やテロ、バブルの崩壊が起こった。

いずれのときも、その瞬間は世界の終わりのように感じられたが、世界は終わることはなく、常に前へ進んでいる。むしろ、これらすべては買いのチャンスだったのである。しかし、ショックを恐れてその度に株を手放したりした人は損ばかりすることになった。ずっと株式市場に向かい続けている人は、一財産築けているはずだ。

よく次のリーマン・ショックを恐れて投資ができない、という人がいるが、本当にもったいない。投資で成功するために重要なのは、健全な楽観主義である。  

今回の西日本の大水害でも被災地の方々は、必ずやショックを乗り越えて立ち直ることだろう。  私たち日本人は災害に対してとても力強く、何度も何度も復興してきた。それにかけるのが、投資家の投資家たる存在意義である。

連載:カリスマファンドマネージャー藤野英人の「投資の作法」
過去記事はこちら>>

文=藤野英人

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