Jimdoの強みは「簡単であること」だとヘンツェは言う。大人気を誇る主力製品「Jimdo Creator」の売りは、美しいホームページを簡単に作れることだ。しかし今、ヘンツェたちはその成功に安住することなく、AIを活用した新たなホームページビルダー「Dolphin」に軸足を移そうとしている。Dolphinは従来のホームページビルダーでユーザーが行なっていたさまざまな作業を自動化し、SEO(検索エンジン対策)などのサポートも提供する。
スケールするための選択
創業から10年あまり、ヘンツェらが直面した難関は他にもある。その一つは、事業を拡大すればするほど仕事のスピードが落ちるということだった。スピードを元に戻すため、Jimdoは人員削減やチームの再編成に踏み切った。
「必要な処置だったとはいえ、とても胸が痛む決断だった。その時期を乗り越えた今は、(リストラの)効果はあったと日々感じている。すべてが迅速に進み、勢いに乗っている」とヘンツェは言う。
現在、Jimdoの年商は4600万ドル(約51.億7000万円)から5800万ドル(約65億2000万円)。ヨーロッパとアジアで200人以上の従業員を抱え、8カ国語に対応する。企業規模こそ同業他社よりも小さいが、ヘンツェは他の側面にJimdoの価値を見出している。
「業界トップが何を指すのかについては様々な考え方があるが、我々は最も優れた商品を作り、最も強力なコアバリューを持つ企業が最終的に勝つと信じている。小さな集団でもひたむきに働けば、目標のほとんどは実現できると信じている」