仮想通貨のプロたちがイーサリアムを「空売り」する理由

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イーサリアムの開発者らは混雑を解消するソリューションを生み出そうとしているが、Tetrasの関係者は大きな前進がもたらされるのは当分先のことだと考えている。「最も楽観的な見通しでも、人気のDAppsが快適に稼働するためには、約2年の時間が必要だ」とTetrasは先日公開したレポートで述べた。

投資家はテクノロジーを理解していない

一方でブルックリン本拠の仮想通貨投資企業「CoinFund」の創業者、Jake Brukhmanはこの見方に反対だ。Brukhmanはイーサリアムを2015年7月から保有しており、CoinFundの保有資産の20〜42%をイーサリアムが占めているという。

「イーサリアムには間もなくstate channelsと呼ばれるソリューションが投入され、トランザクションの速度が向上する。ほかにも年内に実装が進むプロジェクトがいくつもある。ブロックチェーン領域でイーサリアムは最大のエコシステムを築いており、そのポジションは今後も揺らがない」とBrukhmanは述べた。

だが、投資家たちはイーサリアムのテクノロジーにほとんど関心を払っていないとYoungは指摘する。「トランザクションの問題を解決する有望な技術が、CasperやPlasmaと呼ばれるプロジェクトだが、彼らのチームのユーチューブ動画の再生回数は数百回にも届いていない。投資家の大半はそこにある技術を理解できてない」と彼は述べた。

Tetrasによると、昨年発生したICOブームがイーサリアムの価格上昇を招いたという。ICOの大半はイーサリアムをベースとしているからだ。しかし、ICOには今後、厳格な規制が適用される可能性もある。「これはイーサリアムの需要を干上がらせることにつながる」とTetrasはレポートで指摘した。

編集=上田裕資

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