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I write about management in its many forms.

fizkes / Shutterstock.com

昇給なしの昇進が一般的になされている企業は現在、全体の40%近くを占める。これは7年前と比べ17ポイント高い割合だ。昇給なしの昇進を受け入れる従業員は64%で、7年前より9ポイント増えている。

これらは、人材紹介企業のオフィスチーム(OfficeTeam)による最近の調査の結果だ。とても興味深い調査結果であり、私はこれを見て非常に複雑な心境になった。

昇進によってもたらされる感情的・心理的な価値は理解しているし、従業員にとっての意義もよくわかる。一方で、私はこれが、現代社会にまん延しつつもほとんど言及されることのない、ある経営理念から生まれる問題だと思っている。その理念とは「少ないコストでより多くの成果を上げる」だ。

経営者が効率と成果の改善を求めるのは当然のことで、理に適っている。しかし、「少ないコストでより多くの成果を上げる」経営手法を採用すれば、従業員の生活の質を著しく損なう可能性もある。例えば、福利厚生の削減や、フルタイム社員の契約社員への置き換えだ。これらは長い目で見ると、社会的な悲劇につながりかねない。この昇進に関する問題は比較的ささいなものであるが、大画面のレーダーに映った小さな点でしかない。

全体的にみれば企業の業績は好調で、それが良いことであることに違いはない。しかしその成果は、組織内のどこまでいきわたっているだろうか? 現場の犠牲のもとに経営陣が潤っているのだろうか? そうであれば、どの程度? これは少なくとも、本格的な学術研究を要するトピックだ。

給与見直しの要望を

前述のオフィスチームによる調査では、他にも次のような結果が出ている。昇給なしの昇進を受け入れてもよいと考える割合は、女性(55%)よりも男性(72%)の方が多く、55歳以上(53%)よりも18〜34歳の若手(72%)の方が多かった。この結果からは、特定のグループが役職を重視し、別のグループが金を優先する傾向にあるという以外のことを言えるかは定かでない。

昇給なしの昇進を受け入れた人たちへ強くお勧めしたいのは、オフィスチームも調査結果と共に提案している「3〜6か月以内の給与見直しを要望する」ことだ。これはうまく立ち回れば、完全に理に適った戦術となる。

ネットなどで調べれば、他の企業で自分と同等のポジションの給与がどの程度かを知ることができる。新たなポジションを数カ月間うまくこなして交渉の材料を得られたら、自分の給与見直しプロセスが入念かつ細やかで公正になるよう、給与見直しを担当する人事部などと密接に連携しよう。

編集=遠藤宗生

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