25日の17時30分(米東部標準時)時点でフェイスブックの株価は16%下落し、181.89ドルとなった。その後、17時48分にはさらに167ドルまで下がり、ザッカーバーグの資産額は636億ドルまで下がった。一日の資産額の下落幅は、彼にとって過去最大の188億ドル(約2兆円)に達した。
ザッカーバーグの資産額はその前日までは824億ドル(9兆1360億円)で、彼は世界で4番目にリッチな人物だったが、本稿執筆時点では8位まで順位を下げている(25日17時30分時点の「リアルタイムビリオネア・ランキング」のデータ)。
フェイスブックが発表した第2四半期決算は、利益成長率とデイリーアクティブユーザー(DAU)成長率がともにアナリスト予想を下回るものだった。ここ数カ月、同社は英ケンブリッジアナリティカによる8000万人の個人データの不正利用など、複数の問題に直面した。ザッカーバーグは米国や英国議会でも公聴会の場に立たされた。
ただし、25日の急落後の株価は、ケンブリッジアナリティカ問題が報じられた直後の3月27日の株価、152.22ドルよりはまだ高い水準だ。問題の発覚以降、ザッカーバーグは米国や英国の議員らに対し、プライバシー保護を強化するとアピールした。
投資銀行「Jefferies」のテクノロジー部門担当のBrent Thillは「今期の決算は不調だったものの、長期的な観点から我々はフェイスブック株に対し引き続き強気のポジションをとる」と述べた。Thillによると、今後のフェイスブックの成長を牽引していくのは、同社が2012年に10億ドルで買収したインスタグラムだという。