Market Intelligence & Consulting Instituteの推計によると、フォックスコンのスマートフォン事業に占める受託生産の割合は99%で、iPhoneだけで約半分を占めるという。フォックスコンは、これまで台湾よりも人件費が安い中国の工場で組み立てを行うことでコスト削減に取り組んできた。
同社はiPadやテレビの液晶ディスプレイなどの受託生産を行っているが、今後5年間はiPhoneの組み立てが最も儲かる事業であり続けるだろう。
ゴウは、工場にロボットを導入する考えを繰り返し表明している。フォックスコンは、2013年に米国ペンシルベニア州でロボティクス分野の研究開発に1000万ドルを投じると発表したが、これは自社工場でのロボット導入を見越した動きだと思われる。
他のEMS企業も工場の自動化に取り組んでいるが、規模ではるかに凌駕するフォックスコンの方が競争の優位性を発揮できるだろう。
M&Aの実施も株価上昇を図る上で有効だ。テレビで強いブランド力を持つシャープの買収や、米国のテレビブランド「Vizio」への資本参加は、フォックスコンにとって有利に働くとアナリストは見ている。「これらの企業は、フォックスコンのパネル工場で発生した余剰在庫を吸収することができるだろう」とMarket Intelligenceのシニアアナリスト、Chris Weiは話した。