あなたがゲームにハマり続ける理由
月曜の朝、通勤電車でつり革につかまり、仕事の資料を読む。さっぱり頭に入らないから、何度も同じ文章を目で追う。気が散って1駅分の時間も集中力が持たない。
ふと、目の前に座っている会社員を見ると、一心不乱にスマホのパズルゲームをしている。ターミナル駅に着くとハッとしたように顔をあげ、慌てて降りていった。
ゲームはなぜ、人を惹きつけるのか? なぜ、ゲームになら集中できるのか。
位置情報ゲームの代表格「コロニーな生活」、パズルゲームの「ディズニー ツムツムランド」、ロールプレイングゲームの「白猫プロジェクト」、テニスゲーム「白猫テニス」などスマホゲームの人気タイトルを数多く開発してきたコロプラ。例えば「白猫テニス」の利用者数は2016年7月の配信開始後2週間で300万人を突破、幅広い層が支持する裾野の広いゲームだ。さらに、リリースから2年経った今もプレイされているというから、息の長いゲームと言っていいだろう。
コロプラのコーポレート統括本部マーケティング・コミュニケーション部データサイエンスグループの加藤朋之マネージャーによると、利用者がハマるゲーム、ハマり続けるゲームに不可欠な要素は「緊張と弛緩の波」だという。では、その「波」を生むためには、何が必要なのか。
ひとつは「難易度」だ。加藤氏が言う。
「ユーザーさまにとって、難しすぎず、簡単すぎず、油断したら負けてしまうくらいが程よい緊張感をつくります」
ユーザーは、程よい緊張感の中で、魅力的な報酬を求めてプレイする。さらに「時間」も重要な要素で、「緊張」の後には「弛緩」する時間を設けている。緊張している時間が長く続くと疲れてやめてしまうからだ。
「1ステージのクリア時間の目安は5分程度。攻略に時間がかかりすぎると、継続して遊んでもらえない。その傾向はデータにも表れている」(加藤氏)
ゲーム中のような集中力を、勉強や仕事で再現するにはどうしたらいいのか?
緊張と弛緩の波──自分の実力より少し高めの課題に取り組み、一定感覚で適度に休息を取る。これが集中し続けるために必要な1つの要素のようだ。
データは知っている! すぐ飽きる人とハマり続ける人に顕著な特徴
数年前、とあるスマホ位置情報ゲームが大流行した際は、筆者もリリース当日にアプリをダウンロードした。2週間ほど、外に出るとキャラクターが出現しないかとソワソワしたものの、その後はすっかり飽きてしまった。
一方で、いまでも週末になると、スマートフォンを持った大人たちが集まっているのを見かける。そこがゲームの対戦場所になっているからだ。