ビジネス

2018.07.30

働く人の生産性は「美しい姿勢と早歩き」で変わるのか?

「腰痛撲滅プロジェクト」の様子


最初に行ったのは2016年の冬です。それまでにも70回以上の健康セミナーやイベントを開催してきましたが、「腰痛」という課題に特化したプログラムはそのときが初めてでした。

健康に関する一般的なセミナーやイベントに関しては、もともと健康への意識が高い人しか集まらないという傾向が強かったのですが、こと腰痛対策に特化したプログラムのときには、普段は姿を見せない役員や健康にそこまで関心のない人たちも集まってくれました。

85%の人が改善を自覚

このプロジェクトで検証したかったのは、「毎日どれくらい体をケアすれば、腰痛から解放されるのか」ということ。腰痛と言っても症状もさまざまなので、希望者のなかからいろいろなタイプの人が集まるよう20名を選出し、参加してもらいました。

参加者には、専門家が自宅での簡単なストレッチと、業務中にイスに座りながらできるストレッチを用意。それを1カ月間朝晩に行なうという内容でした。実はこのとき、私自身もプログラム作成に参加しながら、「こんな簡単なことを1カ月行なうくらいで変わるのだろうか」と半信半疑の部分があったのも事実です。

しかし、事後のアンケート結果を見て驚いたのを、いまでも覚えています。軽減度の差はあるものの、85%の人が改善を自覚したと答えていたのです。参加者のなかには毎月マッサージや接骨院に数万円も使っている人や、痛くて眠れない日もあるという人もいました。今回のプロジェクトは、それらの費用や悩みを減らすことのできる価値ある取組みだったと思っています。

この取組みを皮切りに、腰痛に関するプロジェクトは何度も開催してきましたが、今月、ついに松平先生との共同プロジェクトを開始しました。今回は、「美しい姿勢&早歩き」がテーマです。社内にトレッドミル(屋内用のウォーキングマシン)も設置して、DeNAの健康経営史上もっとも手のかかった内容です。プロジェクト結果は学会発表も見据えています。

開始から約1カ月、はやくも効果が出てきており、「3年来の腰痛が体操を始めてから楽になった」といった声も寄せられています。しっかりとした結果が出るのはこれからですが、今回のプロジェクトがDeNA社員をはじめとするIT企業で働く人はもちろん、腰痛で悩むすべての人にとって有意義なものになることを願いつつ進め、またご報告したいと思います。

連載:ポテンシャルを引き出すライフスタイルのコツ
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文=平井孝幸

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