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数あるイタリア家具ブランドの中でも、最高峰と称される「ポルトローナ・フラウ」。先端技術を研究し、伝統技法と組み合わせることで美しさに磨きをかけるのだ。


ミラノ市の隣にあるロー市で開催される「ミラノサローネ国際家具見本市」。その巨大な会場の中には、数十のホールがあり、数え切れないほどのメーカーが出展している。そんな群雄割拠の時代にあっても、昔から変わらずに揺るぎなき名声を築いているのが「ポルトローナ・フラウ」。1912年に創業した老舗であり、ペレ・フラウと呼ばれる上質なレザーを使った家具は、他の通髄を許さないレベルにある。

「歴史を継承しつつ、現代のタイムレスな美を追求しているのがポルトローナ・フラウの凄さです」と語るのは、ミラノで活躍するデザイナー大城健作。今年の新作家具「Arabesque」を例にとり、そのモノづくりの凄さを教えてもらった。


(左)デザイナーの大城健作 (右)見本市で、もう1つの注目作品でもある照明「Xi」

「社内の開発チームが充実しており、新しい技術が次々と開発されています。この椅子はシートに硬質ウレタン、クッションには軟質ウレタンを使用していますが、金型に材料を流し込んで成形するインジェクション方式を使っているため、美しいフォルムが生まれます。その一方でシートを覆ったレザーの縫い合わせ部分を表面に出すことで、職人の手仕事もきちんと見せるのです」

伝統的な技術を継承しつつ、新しい表現を追求する。そのためデザイナーのアイデアがそのまま形になることはない。ポルトローナ・フラウとデザイナーが密接に意見を交わしながら製品づくりを行うことで、上質で美しく、類のない“ポルトローナ・フラウらしさ”が生まれるのだ。

「ポルトローナ・フラウと仕事をするということは、“イタリアの文化を理解する”ということです。デザイナーはアイデンティティを表現しつつ、ポルトローナ・フラウの何を表現するかを考えるのです」

彼が新作アームチェア「Arabesque」で追求したのは構造。アラベスクとはバレエの基本の一つで、片足立ちのまま、もう片方の足を上げるという姿勢のこと。重厚になりがちなアームチェアに対して、構造によってインテリアトレンドの一つである軽やかさを表現しようと考えた。

さらにスチール製の脚やレイヤー構造のクッションでも、軽やかに見せる。こういったデザインは、技術の裏付けがあるから実現できる。超一流ブランドは、クリエイションの幅を狭めることはないのだ。

photograph by Mitsuya T-Max Sada edit&text by Tetsuo Shinoda

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