価格の上昇の背景には、いくつかの前向きなニュースが伝わったことがあげられる。その一つが、投資に関する国際資格認定団体「CFA協会」が実施するアナリスト試験の出題トピックに、仮想通貨とブロックチェーンが加わると報じられたことだ。
ブロックチェーン投資家のOliver Isaacsは「これにより、投資家たちの仮想通貨に対する理解と価値への認識が高まる」と述べた。
さらに、7月23日のビットコイン価格の上昇に関し、取引プラットフォーム「eToro」のアナリスト、Mati Greenspanは別の要因を指摘した。Greenspanによると、日本の日銀の金融政策をめぐる報道が相場に影響を与えたという。
日銀は固定の利回りを指定した上で国債を無制限に買い入れ、金利の上昇を抑えるプログラムを開始したと発表した。その後、現行の金融政策が修正されるとの観測が出て、国債売りが加速し円高と株安が進行した。
これにより日本の投資家らがビットコイン市場に流れたというのが、Greenspanの見立てだ。
一方で、ビットコインの価格の上昇が続いたことを受け、複数のアナリストたちの間から「ビットコインは底値圏を脱した」という声もあがりはじめた。仮想通貨のデリバティブプラットフォーム「Amulet」のMarouane Garconや、「Noble Alternative Investments」のCharles Thorngrenらも同様の見方で、仮想通貨市場は底を打ったとの見方を示した。
しかし、ここ1カ月で相場は回復したとはいえ、昨年12月の最高値の2万ドルに到達するまでの道のりはまだ遠い。それでも、仮想通貨市場は今後さらなる上昇を遂げると信じるアナリストたちもいる。
連続起業家で、ビットコインの最大の保有者の1人とされるキャメロン・ウィンクルボスは今年2月、「CNBC」の取材に対し「ビットコインの価値はこの先、30万ドルを突破する」と述べていた。
情報開示:筆者はビットコイン及びビットコインキャッシュ、イーサリアムを保有している。