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ネーミングが世界をつくる

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わたくしは、これまでに139人の同姓同名の田中宏和さんに会ってきた。1994年から始めたこの「田中宏和運動」では、全国の田中宏和さんたちが一堂に集う全国大会を行っている。昨年の第3回大会では、北は北海道から南は鹿児島まで、87名の田中宏和さんが東京に集まった。

4年前には「一般社団法人田中宏和の会」という運営団体も立ち上げ、わたくしが代表理事を務めている。この田中宏和の会に集うメンバーだが、参加理由が同姓同名ということもあり、実に多士済々だ。

会計をお願いしている「税理士の田中宏和さん」をはじめ、「社労士の田中宏和さん」「司法書士の田中宏和さん」「弁護士の田中宏和さん」など「士」業の方々。田中宏和さんのカットは500円割引の大阪・堺市の「美容師の田中宏和さん」(他にも2名の美容師の田中宏和さんがいる)。

無料アプリ「田中宏和名鑑」を無償で開発してくれた凄腕プログラマー「エンジニアの田中宏和さん」、「田中宏和.com」の運営をする「WEBの田中宏和さん」、この前セカンドオピニオンをいただいた「歯医者の田中宏和さん」などなど、とにかく田中宏和さんにはプロフェッショナルも多い。

実は、わたくしは以前より、お互いが持つ専門性を交換し合う「田中宏和経済圏」のために、独自の決済通貨があったらと、荒唐無稽な夢想を抱いていた。

トークンエコノミーは簡単に作れる?

先日、仕事で、東京・大手町にあるフィンテックに取り組むスタートアップのシェアオフィス「FINOLAB(フィノラボ)」を見学させていただいた。運営会社や入居しているベンチャー、同じタイミングで視察に訪れた企業の方々と名刺交換すると、思いのほか田中宏和運動をご存じだった。

懇談の場で「既存のブロックチェーン技術を使って、簡単に田中宏和さんたちの通貨をつくれますよ」と耳寄りな話を聞いた。つまり、田中宏和たちの「トークンエコノミー」ができるということらしい。

なにしろ、話題の「ブロックチェーン」を使っての「トークンエコノミー」だ。「トークン」とは、オリジナルのブロックチェーン技術を使ってデジタル通貨を発行する「仮想通貨」とは異なり、既存のブロックチェーン技術を借りて発行する貨幣代替物のことだ。わたくしたちが、毎日使ったりもらったりする各社の「ポイント」もそれにあたるという。

果たして、「トークンエコノミー」なるものは、そんなにたやすく始められるのかと訝っていたら、前回、このコラムでも紹介した「Chat Base(チャットベース)」を運営する23歳の井上拓美くんが、すでに自分たちが運営するワーキングスペースで流通する独自通貨をつくっていたのだ。

文=田中宏和

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