ビジネス

2018.07.24 10:00

米小売業、本当の破壊者は「1ドルショップ」か


ウォルマートやターゲットなどの大手小売チェーンは現在、「スーパーストア」のフォーマットが適さない都市部向けの店舗と位置づけている小規模な「ネイバーフッド」形態の店舗を増やしている──これら各社は1ドルショップの動きに照準を合わせていなかったことで、自らの裏庭(大都市の間に位置する準郊外や地方部)で、完全に的を外してしまったのだ。

また、1ドルショップチェーンは大手ドラッグストア・チェーンが薬局や医療関連サービス事業の拡大に躍起になっている主な理由の一つでもある。薬品販売などは、1ドルショップが容易に競争力を高めることができないカテゴリーである一方、薬局としては自らを差別化する上で重要な分野だ。

1ドルショップが市場にどれほど破壊的な影響力を及ぼしているか理解されていない理由の大半は、地域による違いについての理解不足と関連している。1ドルショップに関する分析を行っている人たちは大部分において、これらの店舗が個人のレベルで果たす役割についての詳細な調査を行っていない。

それを行うためには、大都市以外の地域の状況を見てみる必要がある。わずか数マイル移動するだけでも、「1ドル」の文字を掲げた店を目にしないことはない。それも、いくつもある場合が多い。それらの店は、一定の地区に“ハイエナが死骸に群がるように”集中する傾向がある。

小売業界に最後に残るのは、市場を細分化している1ドルショップのような店舗になるのかもしれない。ただ、そうした市場の細分化が起きていることに、気づくことさえない人は多いのだろう。

編集=木内涼子

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