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TY Lim / Shutterstock.com

先週、米ニューヨーク州労働委員会はウーバーの元ドライバーらが、失業保険の受給資格を求めて裁判を起こしていた件で裁定を下した。委員会は訴えを起こした3名のドライバーらと、彼らと類似した地位にあるドライバーらに失業保険の受給資格があると認定した。これにより、ウーバー側にとっては、新たなコスト負担を強いられる可能性が強まった。

今回の決定はウーバーのみならず、リフトやJunoなどの他のライドシェア事業者のビジネスモデルに影響を与えそうだ。ライドシェア事業者らはドライバーを社員ではなく、仕事単位の請負労働者とみなしている。

リベラル系シンクタンクNELPのディレクター、Rebecca Smithは次のように述べた。「今回の決定は、ウーバーとドライバーらの関係が従来の企業と雇用者の関係と全く同様であるとの判断だ。ドライバーらはウーバーの管理や指導のもとで業務を行ない、報酬を得ている」

Smithはさらにこう述べている。「ウーバーはニューヨークで、ドライバーらに平均時給8.54ドルしか支払わず、荒稼ぎを行なっている。労働時間が長い過酷な業務だが、十分な補償を受けているとは言いがたい」

ウーバーの広報担当は次のようなコメントを寄越した。「当社は今回の決定には異議を唱え、オプションの再確認を行なっている。今回の決定は3名の訴えについて下されたものだが、意見陳述に示された業務慣行の多くは実際に適用されていないものだった。また、既に存在しない業務慣行や、最初からなかったものも含まれていた」

ここで争点となる「業務慣行」とは、労働基準局が雇用者と被雇用者の関係を見極める上での重要な判断材料だ。業務に関するトレーニングや労働者の管理、乗務状態の監視などがここに含まれる。

米国では10以上の州が、配車サービスのドライバーを失業保険の対象外としており、その他の多くの州の法律にも、配車サービスの従事者に通常の被雇用者と同じ権利を与える根拠となる条文は存在しない。

しかし、昨年ニューヨーク州労働省行政審判官は、3名のドライバーからの申し立てに対し「ウーバーは同社の権限によって、ドライバーに超過勤務を行なわせている」との裁定を下し、ここには「雇用者と被雇用者」の関係があるとの見解を示していた。

合衆国労働局の広報担当のJill Auroraはニュースサイト「Politico」の取材に対し、「ウーバーは今回の決定に対し、異議を申し立てる権利がある」と述べた。仮に異議申し立てを行なわない場合、ウーバーは同様な立場にあるドライバーの全てに失業保険を支払うことになる。

ウーバーのドライバーはニューヨークだけで6万5000人以上に達しており、仮に失業保険の支払いが義務付けられたとしたら、莫大なコスト負担が発生することになる。

編集=上田裕資

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