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イーロン・マスク(Photo by Amy E. Price/Getty Images for SXSW)

一見したところ、イーロン・マスクとドナルド・トランプはそれ以上ないというほど“違って”いる。

電気自動車(EV)メーカー、テスラの最高経営者(CEO)であるマスクは若く、クールでリベラルなシリコンバレーの住人だ。先端技術について学んでいる。一方のトランプ米大統領は高齢で、ばかげた髪型をしたニューヨーク出身の不動産王。共和党を代表している。

だが、よくよく見てみると、彼らは互いに互いをほうふつとさせるところがある。トランプは旧態依然とした政治をひっくり返し、ホワイトハウスの住人になった。無礼な態度でいくつもの慣習を破り、反対派を激怒させてきた。

マスクが共同創業したテスラは、世界中の自動車業界に衝撃を与え、大手メーカーにも彼らの後に続き、EVの開発を進めることを余儀なくさせている。だが、EVの米国での需要は、1%に満たない。メーカー各社は多大なコストがかかる同事業について、裏では不平をもらしている。そして同時に、テスラが数十億ドルもの赤字を出す一方で、株価が上昇し、時価総額が高騰したことに憤慨している。

トランプは腹を立てると、敵に反論するための手段としてツイッターを使う。マスクも頻繁に、コミュニケーションのプロフェッショナルなら認めないような言葉を使い、自社の広報を通すことなくツイッターで直接、自身の考えを述べている。

タイでは先ごろ、洞窟に閉じ込められていた少年たちが救出されたが、マスクは自身が救出の支援を申し出たことについて批判した男性に対し、「小児性愛者」のレッテルを貼るようなコメントを投稿した(すでに削除している)。

また、先ごろ米ロ首脳会談を行ったトランプはプーチン大統領との会談後に彼を批判するのではなくすり寄り、自身の政敵やメディア上で敵対する人たちを激怒させた。トランプが公の場でプーチンを非難しなかったことについて、メディアと民主党は国家に対する裏切りだと糾弾した。

マスクは今のところ、テスラが高品質のEVを迅速に大量生産できることを証明していない。そして、マスクはそのことを自分に再認識させようとする人に向かって、舌を出して見せるのが大好きだ(もちろん、これは比喩表現だ)。

詮索好きなメディアとの関係においても、マスクとトランプの態度は似ている。マスクはメデイアが「ウォール街の空売り筋の役に立とうとしている」と言いがかりをつけている。また、5月に行った決算発表後の電話会議では、アナリストらの質問を「退屈」「間抜けだ」などとして、回答を拒否した。

トランプを支持しようと軽蔑しようと、トランプのような大統領を米国民はほかに知らない。そして、そのトランプが米国の政治に影響を及ぼしていく様子を、国民は目の当たりにしている。テスラのCEOと彼が売るEVについても、まさにそれと同じことが言えるのかもしれない。

編集=木内涼子

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