欧州で高評価のボルボ「XC40」が日本でも完売する理由

ボルボ XC40


僕が今回乗った仕様は、T5 AWD R-DESIGN ファーストエディション。価格は559万円と高価だが、発表された今年の4月にはすでに完売だったらしい。それだけ市場は期待しているということだ。
 
内装も外観と同様に印象に残る。まず、目に止まるのは、赤いカーペットと白いシートの紅白コンビ。ヌバックとナッパレザーで仕立てられているシートは、スタイリッシュなだけでなく、座り心地やサポート性に優れている。スイッチ類も宝石みたいに美しい。しかし、インパネのど真ん中に唯一の欠点が現れる。



縦型の9インチディスプレイのタッチパネルは赤外線式のため、手にグローブをしたままでも操作可能。しかし、かなりの慣れが必要だろう。多くの機能はディスプレーの中に嵌め込んであるので、スイッチ類が減ってスッキリしているが、操作が必要以上に複雑になっているのは事実。例えば、空調の外気スイッチをいじりたいと思ったら、まず画面に一回タッチした後、一回スワイプしなければ、そのスイッチが出てこない。

それでも、走リには文句なし! エンジンは、190psのT4と同252psのT5のツーチョイス。 僕が乗ったT5は2リッター直4ターボエンジンと8段ATのコンビ。少し重めのアクセルペダルをほんのちょっと踏むだけでも、じわっと気持ちの良い加速をして、気づかないうちに70km/hは出ていた。2000rpmぐらいからエンジンがうなり始めるけれど、スポーティな味付けなので気にならない。メーカー側は、燃費は12.4km/Lと謳うけど、僕が試したリアルワールドでは10.2km/Lで、1700kgのSUVとしては悪くないのかな。

外観デザインが独自性を保っているのと同様に、走りのフィール、例えばステアリング感覚もBMWなどを真似せず、ボルボならではの味付けだ。ステアリングは適度な重さがあって、路面からしっかりと情報をドライバーに伝え、クイック過ぎない。

さきほど、安全装備に触れたけど、詳しく書けば、「インテリセーフ」と呼ばれる衝突回避・軽減フルオートブレーキシステムだ。なんと16種類以上の先進安全装備が付いている。

欧州賞が獲得できるほどのルックス、性能、安全性、コストパフォーマンスなどを誇るXC40は日本の道路・パーキング事情に最も合うボルボのSUVだ。でもね、人気車種なので、今週注文したとしても、納車は2019年の2月ぐらいになるようだ。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事