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2018.07.22

「100%植物性」でスキンケア業界を変える女性起業家

カリフォルニア・ベイビー CEO ジェシカ・イクリソイ(Photo by Michael Buckner/WireImage)

5年半もの研究期間を経て、「カリフォルニア・ベイビー(California Baby)」がスキンケア用品に使える100%植物性の防腐剤を開発した。

「会社を立ち上げた時にやろうとして叶わなかったことの一つが、(化学合成ではなく)植物性の防腐剤を使うことだった。とても難しい問題で、自宅のキッチンで実験できる範囲を超えていた」と、創業者CEOのジェシカ・イクリソイは言う。

約90品目からなるカリフォルニア・ベイビーの全商品は今年9月から、従来の安息香酸ナトリウムをこの新しい植物性防腐剤に置き換えたものにリニューアルする。スキンケア用品メーカーでは初の試みだ。

イクリソイはこの20年間、確実に効果がある100%植物性の防腐剤を作ることは不可能だと周囲に言われてきた。資金力のある大手メーカーが手を出していないことからも、開発が困難であることは明らかだった。それでも彼女は約1000万ドル(約11億円)をつぎ込み、実験を続けた。そして新種のバジルとアニスから抽出した化合物が防腐剤として利用できることを発見した。

イクリソイのキャリアの始まりは1990年にさかのぼる。妊娠をきっかけにベビー用品の成分表示に注目するようになった彼女は、多くの市販品に有害な化学物質が含まれていることを知り、ロサンゼルスの自宅のキッチンでシャンプーを作り始めた。オーガニックのベビー用品やスキンケア用品が一般に普及するはるか前の話である。

1995年、イクリソイは母親から2000ドルを借り、全身用シャンプーを唯一の商品としてカリフォルニア・ベイビーを立ち上げた。

カリフォルニア・ベイビーの強みは、原料の生産から商品の製造までのプロセスの大部分を自社で行なっている点だ。スキンケア用品ブランドがそれらの工程を自ら担うことは稀であり、イクリソイも創業当初は外部の工場と契約していた。しかし製品のクオリティに満足できず、2001年に自社工場を購入。さらに2011年には、サンタバーバラに広大な農地を購入した。現在、そこでは主に発疹用クリームや日焼け止めの原料となるキンセンカ(キク科の一年草)の有機栽培を行っており、今後は防腐剤の原料となるバジルとアニスの栽培も始めるという。

カリフォルニア・ベイビーはイクリソイが100%所有しており、2017年の同社の年商は9600万ドル。イクリソイの資産額は推定3億3000万ドル(約373億円)とされ、フォーブスの2018年版「アメリカで最も成功した女性(America’s Richest Self-Made Women)」ランキングの58位に入った。
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編集=海田恭子

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