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累計で50億円の資金調達

しかし、Relativity Spaceは多額の資金調達に成功しており、機体サイズが競合他社よりも若干大きいというメリットがある。さらにコスト面でも優位性がある。「Relativity Space が開発したTerran 1ロケットの価格は1000万ドル(約11億円)で、競合他社の多くを下回る」とアナリストは話す。

NooneとEllisは、南カリフォルニア大学在籍中からの友人だ。2人とも学生による初のロケット製造を目指す「ロケット推進研究室(Rocket Propulsion Lab)」に所属していた。卒業後、NooneはスペースXに入社し、宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに輸送することをミッションとする「Dragon 2」のエンジンを3Dプリンターで製造する業務に従事した。

一方、Ellisはブルーオリジンに入社し、同じく3Dプリンターを使って部品や推進システムを製造した。2人は共通の経験を経て、3Dプリンティングこそが宇宙業界の未来を支えると確信したという。

「我々は、ロケットを丸ごと3Dプリンターで製造することが不可欠だと確信した」とEllisは話す。Relativity Spaceは、マーク・キューバンから返信が届いたのと同じ週にYコンビネータから合格通知を受け取り、研究開発に本腰で取組み始めた。

「PitchBook」によると、同社はこれまでに4450万ドル(約50億円)を調達しており、現在の従業員数は25名だという。スタートアップにしては人数が多いように感じるが、宇宙分野のスタートアップの中では小規模な部類に入るという。

Relativity Spaceは優秀なチームと潤沢な資金によって、独自の3Dプリンター「Stargate」を完成させた。この3Dプリンターを使い、Terranの2段目ロケットを製造する予定だ。同社は、ロケットエンジン「Aeon」のフルサイズ版も3Dプリンターで製造した。このエンジンは、NASAのジョン・C・ステニス宇宙センターにあるテスト施設で100回以上試射を行っている。

同社は、2段目ロケットの開発と地上試験を年内に実施し、その後1〜2年をかけてより大型の1段目ロケットの開発を行うという。Ellisによると、最初の商業打ち上げは2020年後半か2021年初旬を予定している。

「3Dプリンティングはロケットの製造プロセスを自動化し、より少ない人数でより多くのロケットを製造することを可能にする。業界全体の拡大に寄与することができる」とEllisは話した。

編集=上田裕資

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