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Harvepino / shutterstock

中国は、世界で最も二酸化炭素排出量が多い国だが、世界規模の排出量削減に向けた取り組みの最初の経由地になるかもしれない。中国に対しては、地球温暖化問題に取り組む国際NGOや慈善事業の注目が集まっている。

莫大な人口を抱え、世界の製造業の中心地である広東省を擁する中国では、長年にわたり続く非効率な電力使用と、石炭への依存も相まって、温室効果ガス排出量が空前のレベルに到達。しかしこれからの中国は、パリ協定の目標を達成し、地球温暖化の最も破滅的影響を避けるにあたり、最大の希望の光であるかもしれない。

中国は10年ほど前から、電力の生産と使用の両面におけるエネルギー効率を上げ、石炭への依存から太陽光を主とする再生可能エネルギーの利用へシフトすることで、炭素排出量削減に取り組んできた。習近平国家主席が就任した2013年以降、この取り組みはさらに加速している。

原動力となっているのは、この問題に対する習自身のコミットメントだ。背景には、中国を責任感あるグローバルリーダーとして位置付けたいという意志や、汚染物質が国民の健康や国内の安定と直結していることがある。実際に2013年は、北京をはじめとする中国各地のスモッグ問題が顕著になった年で、対策は必須だった。

米政府が環境問題での旗振り役を辞退する中、中国はこの状況を利用して、自身のコミットメントを反故にすることもできたかもしれない。しかし中国政府は逆に、温室効果ガス削減や大気・水質の改善を、国際的なリーダーとなるチャンスとして捉え始めた。

この流れを受けて中国では、"グリーン"分野がブームを迎えている。グリーンエネルギー、グリーン融資、グリーンモーゲージ、グリーンサプライチェーン、グリーン債、排出量取引制度など、関連する政策や補助金制度、促進策のリストは延々と続く。

中国は、世界の大半の国々に先駆けてガソリン車の生産を段階的に廃止していくとみられ、太陽エネルギーとクリーンテクノロジーの分野では既に先頭に立っている。パリ協定で最も不可欠な締約国である中国が、目標を達成する可能性は大いにある。

中国は地球上で最も多くの温室効果ガスを排出しているものの、この統計値を大局的に見ることが重要だ。人口1人あたりの排出量は、米国と比べごくわずかであり、大半の先進国より大幅に少ない。中国は、ただ人口が多いというだけなのだ。

さらに、中国の炭素排出量の多くは、海外の需要に直接応じた結果だということも押さえておくべき点だ。欧州の消費者向け商品を製造するために中国で化石燃料が使用された場合、それは単に中国による汚染だと言えるのだろうか? 輸出製品の「エンベデッド・カーボン(埋め込み炭素)」を計測するという考え方は、排出パターンを分析する上でのカギとなる。

編集=遠藤宗生

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