ユーザーが個人データを売買? AIスピーカーの課題を解決する新アイデア

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フランスの音声認識AIスタートアップ・Snipsは、AIスピーカーやAIアシスタント、スマートホームデバイスにおけるプライバシー問題の深刻さに気づき、高いセキュリティ機能を持つ音声プラットフォーム「Snips AIR」を開発した。同ソリューションは、クラウドではなくデバイス上で音声データを処理。個別のデバイス内にとどめることで、セキュリティを担保する。

とはいえ、データが集まらなければ人工知能の性能があがらないというジレンマもある。そこでSnipsは、パブリック・ブロックチェーン・プラットフォーム「AIR Network」を構想しているという。これは端的に言えば、ユーザー自ら音声データを売買できるプラットフォームをつくるというものである。データの売買にはトークン(仮想通貨)が使用される。

中国・チーターモバイルもブロックチェーンを使ったAIスピーカーを販売開始しているが、「ユーザーから能動的にデータを提供してもらうための仕組みづくり」という点に関しては、同じ問題意識があるように思える。

すでにシェアを獲得したいくつかのAIスピーカーも、セキュリティ上の懸念からいつユーザー離れが起こるか分からない。また新しい発想でデータの価値を最大限にユーザーに還元してくれるAIスピーカーが登場する日がくるかもしれない。その勝敗の行方はどうなるか。とても楽しみである。

文=河 鐘基

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