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Jonathan Weiss / Shutterstock.com

経営破綻した米玩具販売大手トイザらスの米国内の店舗が、6月下旬に全て閉鎖された。これが小売業界における「実店舗」の暗たんたる未来を示唆すものだと思う人もいるかもしれない。だが、その考えは間違いだ。

トイザらスが米国に残したのは、ノスタルジアだけではない。合わせて数百に上る空き店舗だ。そして、国内の店舗需要は非常に高い。オープンエアのショッピングセンターの開発・運営を手掛ける米キムコ・リアルティが4月に明らかにしたところによれば、“注目度の高い成長中の”小売業者が、数多くの店舗用の賃貸物件を求めている。

キムコのコナー・フリン最高経営責任者(CEO)によると、今年第1四半期には業績が好調なディスカウントショップ・チェーンや食料品店、家具店、ヘルス・ウェルネス関連や娯楽関連の施設などの入居が増えた。出店を希望するコワーキングスペースの運営会社や診療所なども増加している。

同期に開業した店舗は、スーパーマーケット・チェーンの「スプラウツ・ファーマーズ・マーケット」やフィットネスセンターの「プラネットフィットネス」、緊急医療センターの「ゴーヘルス・アージェントケア」、ディスカウントチェーンの「ダラー・ゼネラル」や「ダラーツリー」、化粧品専門店の「セフォラ」をはじめ、3000以上に上るという。

こうしたスペースを提供したのは、トイザらスのほか小売大手シアーズと傘下のディスカウントストア・チェーン、Kマートや、百貨店チェーンのメイシーズとJ.C.ペニー、老舗百貨店のボントンや靴専門店ペイレス・シューソースなどだ。

トイザらス閉鎖の多大な影響

米不動産調査会社レイス(REIS)によると、米国では今年第2四半期中に主にトイザらスの閉鎖によって、オープンエアのショッピングセンター内に合わせて約35万3000万平方メートルの空きスペースができた。少なくとも2013年以降初めて、入居より退去が多くなっている。同期の商業用不動産市場にトイザラスが与えた影響は、過去9年間で最大の規模だ。

サンフランシスコやシアトル、ローリー・ダーラム、ボストンなど米国内の主要77都市について調査した結果では、オープンエアの商業施設の空室率は同期、10.2%に上昇。過去3年間で最も高い水準となった。また、屋内型のショッピングモールの同期の空室率は8.6%で、2012年第4四半期以来の高い割合になったという。

一方、小売業界専門の調査会社コアサイト・リサーチによれば、今年に入って以降、閉鎖の方針が発表された店舗数は約4100。開店の予定が明らかにされた店舗数のおよそ2倍となった。

ただ、金融サービス会社コーウェン・アンド・カンパニーが昨年行った調査によると、米国の国民1人当たりのショッピングセンターの面積は、英国やフランスの4倍以上だ。人口に対する店舗数は、多すぎるほどだ。

編集=木内涼子

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