IGTVを考察する 5つの特徴と注目すべきプレイヤーたち

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自然や風景にまつわるプレイヤーは?

例えば「世界の絶景」など、自然や風景に関連するコンテンツはインスタグラムをはじめどんなSNSでも親和性の高いコンテンツだが、IGTVならどのように表現すべきだろうか? 

一般的には、そのようなコンテンツは縦型のフォーマットではマッチしづらいと考えられるが、ナショナル・ジオグラフィックは、風景を切り取り編集し、合間合間にセレブリティのインタビューを挟んでいる。むしろ、縦型で大自然の映像を流すことでインパクトを感じ、没入感も感じられる。



サーフィン動画を集めた「NobodySurf」もIGTVにいち早く投稿していたプレイヤーの1つだ。NobodySurfでは、縦型動画に加え、横型動画も投稿している。IGTVにおいては「縦型動画でクオリティの高いものを」と言われがちだが、そんなことはない。人が集まり、それが本当に見たい動画であれば、横型でもいいはずだ。NobodySurfは、縦型・横型を上手く使い分け、映像の臨場感を届けている。



人を巻き込む必要がある企業たち

IGTVがローンチされて何が変わるのだろうか。お察しの通り、インスタグラムが次に目指すのは、ユーチューブの市場だろう。しかし、人間の視覚は横に広く、テレビも、映画も、動画の歴史は常に「横長」動画だ。縦型動画で長時間の映像を見続けるのだろうか、というのは誰もが疑問視していることだろう。

では、縦型動画において、横型動画よりも親和性の高いコンテンツとはなんだろうか。

1つは「人」である。実際に、当初からIGTVを駆使して使いこなすプレイヤーたちを見ていても、映像の中身は「人」の映るコンテンツが多くを占めている。むしろ出てこないコンテンツは、よほどテンポよく編集したものか、モーショングラフィックなどを多用し飽きさせない工夫がされていない限り、たとえ短時間でも見ているのが厳しいと感じる。

その「人」は、有名人である必要はない。例えば企業の場合、NASAやエアビーアンドビーがインスタグラムストーリーズで展開しているように、社内の人間がIGTVを通じてどんどん表に出ていくのもいいだろう。もしくは、社内の人間とインフルエンサーが一緒になって番組を作るのも面白い。「人」型のバーチャルユーチューバー(VTuber)でもいいかもしれない。

そうなると、ますます企業は「人を巻き込むSNS活用」を求められるだろう。加えて、IGTVのプラットフォームにおいて求められる「人」はインフルエンサーである必要がないかもしれない。

現に、筆者が運営している女性向けエンパワーメントメディア「BLAST」において、IGTVコンテンツのリポーターとして、起用しているのはユーチューバーの女性だ。彼女がインフルエンサーだから起用しているわけではなく、ビデオカメラに慣れていて、口角を上げながら話すことができ、女性に好感を持ってもらえる女性像だったからだ。

インスタグラムのフィードで、タッグを組むべきはインフルエンサーなる存在だったかもしれないが、IGTVでタッグを組むべきは、また違うスキルを持った人になるだろう。

連載 : ミレニアルズとユースカルチャー
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文=石井リナ

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