トランプ訪英でグリーン・デイの「反米ソング」が急浮上

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米トランプ大統領のイギリス訪問は各地で大規模な抗議デモを引き起こしたが、その余波は音楽業界にも波及した。米国のロックバンド「グリーン・デイ」の名曲「アメリカン・イディオット」がチャートを急浮上したのだ。

タイトルを直訳すると"愚かなアメリカ人"になるこの楽曲は2004年の作品だが、トランプの訪英のタイミングで、英国チャート「U.K. Official Charts」を急上昇した。「アメリカン・イディオット」は総合シングルチャートでは最高位18位だったが、シングルのダウンロードチャートでは2位に、ロック&メタルシングルチャートでは首位に躍り出た。

また、アマゾンのベストセラーリストではナンバーワンの座に輝いた。

さらに、英国での人気の高まりは本国のアメリカにも波及し、音楽メディア「Chart Data」によると、「アメリカン・イディオット」は今週の米ビルボードの「Rock Digital Song Sales」チャートで23位に急浮上した。

シングルとして過去の最高順位は2014年の「Hot 100」での61位だった。同年、「アメリカン・イディオット」はオルタナティブ楽曲チャートでは首位に立っていた。この楽曲は2005年のグラミー賞4部門にノミネートされていた。

1987年結成のグリーン・デイは、1994年にメジャーデビュー。2004年に発表したアルバム「アメリカン・イディオット」はイラク戦争を起こしたブッシュ大統領に対する痛烈な批判が込められた作品として話題になり、アルバムチャート「Billboard 200」では1位を記録。米国だけで600万枚以上を販売し、2005年のグラミー賞のベストアルバム賞を受賞した。

「バカアメリカ人にはなりたくない、メディアに支配された国なんて御免だ、ヒステリックな情報が愚かなアメリカ人たちをせきたてる」と歌われるこの曲は、当時のブッシュ政権に向けられたものだが、トランプ政権に対する人々の思いも同じであることが証明された形だ。

「アメリカン・イディオット」は時代を代表するアンセムとして、今後も人々の記憶に残る作品になりそうだ。

編集=上田裕資

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