ハワイでついに「新島」が出現、キラウエア噴火で

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2カ月以上も溶岩を噴出させているキラウエア火山の活発な活動によって、一夜にして新たな島が出現した。

ハワイ島北部に出現したこの島は現地の火山観測所が航空機で調査中に発見し、米国地質調査所(USGS)が調査を進めている。島は直径20~30フィート(約6~9メートル)で、ハワイ島からわずか数メートルしか離れていない。

この小さな島は、上向きの圧力によって溶岩が噴出してできた海底の溶岩ドームによるものだと専門家は考えている。島は、「フィッシャー8」と呼ばれる割れ目から噴出し太平洋に流れ込んだ溶岩の一部らしい。

新しい島が出現したことは、いかに地球が不安定で地理的な変化が急速に起きるかという事実を示している。突然現れたこの島は、同じように突然消えてなくなる可能性もある。しかし、フィッシャー8が引き続き溶岩を噴出させてハワイ島と新しい島が結合するというシナリオが最も現実的だろう。

新しい島が独立した島として存在している期間は短いかもしれない。結合しなかったとしても、波に浸食されていずれ消えてしまうだろう。結局のところ何が島であり何が島ではないかを決めるのは海面の位置であり、もしも氷河期の時と同じぐらい海面が低ければ、今回の島は単なる突起でしかなかったのだ。

一方で別の新しい島がハワイの南東で形成される可能性がある。現在は海底にあるロイヒ火山で、太平洋プレートに乗ってホットスポットの上を移動中だ。ハワイ島の南東にわずか20マイル(約32キロメートル)の場所にあり、高さは海底1万100フィート(約3000メートル)。しかし太平洋の海面から頭を出すためにはあと3100フィート(約950メートル)は成長する必要があり、数万年はかかるとされている。

それでも、ハワイの人々は今回出現した島に早速名前をつけるかもしれない。キラウエア火山は5月3日に噴火して以来、700軒の住宅を破壊し、ハワイ島の海岸線とエコシステムに変化を及ぼした。しかも、沈静化する気配はなく、噴火や新たな噴火口が出現したことによってマグニチュード5以上の地震も起きている。

編集=上田裕資

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